現在の日本の若手のジャズ・シンガーで、海外でも評価の高いアーティスト、akikoの4枚目のアルバム。須永辰緒プロデュースということからわかるように、ジャズといってもクラブ系。しかし、電子音の使い方はジャズの魅力を損なわず、ましてジャズの新しい魅力さえ感じることのできる絶妙な音創りはさすがです。アップ、ミドル、スローとどんなテンポでも、軽やかに歌いこなすakikoのボーカルセンスも素晴らしい。都会的な雰囲気がタップリ味わえるオシャレな1枚です。
01.オールド・デヴィル・ムーン
02.ムード・スウィングス
03.オーヴァーステイ
04.フットプリンツ・オン・ザ・ムーン
05.ビフォー・ドーン
06.ザ・ギフト
07.ベオグラード
08.オールド・フィッシャーマンズ・ドーター
09.ソフィスティケイテッド・レディ

全編に渡って、オリジナル曲としての楽曲の質の高さを感じます。その中にはakiko本人の作曲も含まれていることには驚きます。1枚のCDとしては非のつけようのない作品です。ただ、彼女のジャズ・シンガーという肩書きは、もう不要だと思います。それは彼女への否定的な意味ではなく、彼女の音楽はそういう固定概念から離れた所で、今後も展開していくように思えるからです。ジャズとかクラブ系とかいう言葉が作るイメージが彼女の音楽活動や才能までも束縛しかねないのでは?

以前、ここでも紹介しましたが、シャーデーという歌手がいます。彼女の音楽(特に初期)は、多様化した現在の音楽用語を持ってしても、正確に表現できないのです。ジャズでもなく、ソウルでもなく、イギリスなのにUKぽっくもない。生まれがナイジェリアということで、ワールドミュージックなんて言ってしまうほど、困った音楽なのです。(笑)akikoとそのスタッフには、そんな困った音楽を日本発で創って欲しいと思います。個人的には日本語のナンバーが1曲くらいあっても面白いと思います。

※ユニバーサルでのakikoのHP(Discographyから全曲試聴可)
http://www.universal-music.co.jp/jazz/j_jazz/akiko/
(公式サイトもあったのにどこいったんだろ?)

※シャーデーの過去記事
http://diarynote.jp/d/57127/20041018.html

※プチ・トリビア
彼女は佐藤竹善のソロカバーアルバムCORNERSTONES 2にゲスト参加し、デュ
エットしています。

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