このブログっていつも「いいこと」だけ書いてるようですけど、今回は久しぶりにちょっち辛口モードでレビューしたいと前から思っていたのが、このアルバム。一応、日本のソウルの創始者である久保田利伸トリビュートアルバムというコンセプトで、「構想5年、製作期間1年3ヶ月」って・・・・長編映画か! q(^^) それに比べたら制作期間は短くね?(あえて若者ツッコミで。)私の世代は本当にリアルタイムで日本に初めてファンキーという言葉と音楽をもたらした功績が偉大であるからこそ、このトリビュートは納得いかないものがありますね。そのワケは・・・

SOUL TREE ~a musical tribute to toshinobu kubota~ (CCCD)
01. LA・LA・LA LOVESONG / BOA w/z SOUL’d OUT
02. Dance If You Want It / ゴスペラーズ meets ナニワエキスプレス
03. Missing / 中島美嘉
04. 流星のサドル / SOULHEAD
05. Cymbals / ATSUSHI from EXILE
06. Candy Rain / Sowelu
07. CRY ON YOUR SMILE / Skoop On Somebody
08. Indigo Waltz(Live Version) / MISIA
09. You were mine(New Funk Master Mix) / 椎名純平 with ダンス☆マン
10. 永遠の翼 / 高宮マキ
11. 夢 with You / 倖田來未
12. TAWAWA ヒットパレード / BOO,Keyco & RHYMESTER feat BUTTER DOG MARKET

確かにこの時期ってやたら「○○トリビュート・アルバム」っていうのが頻繁に出たのですが、特にこれはひどかった。まず、洋楽でいう「トリビュート・アルバム」というのは、本当にその人のことを知っていて、心から尊敬というよりもむしろ、「その人に自分がなりたい!」っていうレベルの人間しか参加しないし、出来ないんです。後は対象となるアーティストが亡くなったり、現役でなくなったりした時にするのが一般的です。バリバリ活躍中の久保田利伸を選ぶのは違和感ありまくりでしたね。

まぁ、でもこういうアルバムを作りたいという気持ちは理解できるし、その中で本当のトリビュート魂を発揮しているアーティストも一部存在しているのが、まだ救われる点ですね。ただ勘違いのないように触れておくと、年齢は関係ないんです。大切なのはその人になりたいくらい好きだったという強い「想い(ソウル)」なんです。それがある人とない人とは、聴けば一目(一聴?)瞭然なんですよ。てなわけで、ここからはそういう熱いソウルを感じた人たちだけ取り上げます。

02. Dance If You Want It / ゴスペラーズ meets ナニワエキスプレス
トリビュートの方法のひとつとして、自分たちの音楽に消化しつつ再現することで、「恩返し」とすることがあります。ゴスペラーズは自分たちの音楽的支柱であるゴスペルコーラスを用いながら、「久保田=ファンク」だったことをナニワEXがサックスアレンジで正確に表現しています。

07. CRY ON YOUR SMILE / Skoop On Somebody
こちらはガッツリ正面からいく方法。原曲に近いアレンジで、S.O.Sとしてのソウルと張り合うかのよう。アレンジでごまかさず、今の自分たちを聴いて貰いたいという気持ちが伝わります。コーラスを基盤としつつも、TAKEのボーカリストとしての果敢なチャレンジャー精神が心打つ曲になってます。(これは自信がないとできない。)

09. You were mine(New Funk Master Mix) / 椎名純平 with ダンス☆マン
残念ながら最後のトラックですが、これこそ真のトリビュート魂がビンビン伝わる一曲。普通に聴けば一番ふざけていると感じる人が多いでしょうけど、彼らほどハッキリと久保田利伸こそ本物の「ファンクマスター」であったこと、そして椎名順平が「そして俺が新しいファンクマスターだ!」といわんばかりに歌うことで、久保田の当時のファンキーなサウンドが、今でも全く色褪せていないことを、証明するという方法。さらにファンキーという言葉はワクワクするように面白い、楽しいときに使う言葉なので、そういう意味でも、これくらいのおふざけとジョークをアレンジで魅せるのは、これもまた間違いなく「ファンキー」。ダンス☆マンのアイデアにも尊敬に値すると思います。

うーん、他はイマイチそういう「ソウル」が伝わってこないですね。変わったアレンジで丁寧に歌っている人もいますが、それだけなら他の人が歌ってもいいわけで。(苦笑)商業的な部分も否めない企画だったかもしれませんが、その中でも上記の3曲は輝いていると思います。今度はあなたが自由に確かめてみてください。

※試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1473449

※SOUL TREE - a musical tribute to toshinobu kubota -特設ページ(BARKS)
http://www.barks.jp/feature/?id=52336508

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