ひとりぼっちの心に降り積もる「初雪」
2008年12月1日 音楽
12月の最初のレビューということで、人知れずリリースされた最高の名盤をセレクトです。いや、これ本当にものすごいんですよ。2000年以降のJ-POPSシーンで見ても抜群の才能です。間違いなく天才です。彼女の名前はSNoW。LAサンタモニカ・カレッジ在籍中の20才のシンガーソングライターです。人気アニメ「地獄少女」のオープニングが独り歩きしていますが、このアルバムに収録のそれ以外の曲を聴けば、只者ではない人物だということがわかります。今年の1月リリースなので、ほぼ1年過ぎていますが、この初雪は今でも私の心には降り注がれているのです。
アニメ「地獄少女」のOPとして使用されたのは、03. NightmaReと04. 逆さまの蝶の2曲で、これはSonyのタイアップ戦略でしたが、彼女は天才系なのでそういう売り込みは今となっては逆効果のように思いますが、そこで彼女の名前を知ったことを考えると有効だったのかもしれません。この2曲も完成度は高いのですが、ここではそれを凌駕する他のトラックを中心に取り上げていきます。
まず、全編英詩の05. I’m Noですが、注目すべきは彼女の発音の良さだけでなく、むしろボーカルセンスの方で、軽快なテンポにきれいに英詩が乗っています。いや、正確にいうとメロディーラインという曲線上に数ミリ程度のブレをつくるのは、もう完全に洋楽の卓越したボーカリストと同じレベルにあります。同じく07. on&onでは、日本語でそれを可能にしているので、どちらも洋楽のマネではなく、彼女のボーカルセンスが世界標準であることがわかります。この2曲だけでも、現時点で同じレベルの日本人歌手はいないと思います。
それでも、彼女のサウンドの基礎となっているのはアコースティック・ギター(エレアコ?)です。そして、独特の切なさとやさしさを兼ね備えたバラードソングもまた魅力です。ストリングスを使った06. night lightは、冬の夜空に相応しい美しくも切ないミドルバラードです。そして、今回のベストトラックにして、彼女が最初に書いた曲という、10. Yesです。雪がしんしんと降り積もる街中で独り歌うストリートシンガーという内容の歌詞で、その日がクリスマスであるという設定が切ないのにやさしい気持ちになれる究極のハートフルソングです。これは、今年最高のクリスマスソングだと思います。(独りでも二人でも。)
これで1stアルバムというのは末恐ろしいくらい。今年は個人的には邦楽で寂しい思いだったので、この作品はありがたい存在でした。それにしても、10. Yesはマジでキテル。100回は聴いてる。曲も歌詞も最高に泣ける。彼女には長く活動して欲しいと願っていましたが、残念ながら、現在はこのSonyまがいのレコード会社から離れているようで、普通の音楽活動もままならない様子。天才ほど不遇な目に逢うのは今も昔も同じ。どういう形でも、また彼女の作品に触れたいと願っています。
※「空からいちばん遠い歌」(Yes)の試聴はこちら
http://morawin.jp/package/80312130/AICL01792/
※SNoW Official Web Site(Sony)
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/SNoW/
※そばにいるね / SoulJa×Yukie(このyukieというのが・・・)
http://jp.youtube.com/watch?v=YArMcuLnHYg
初雪 / SNoW
01. 花火まであとすこし
02. sign
03. NightmaRe
04. 逆さまの蝶
05. I’m No
06. night light
07. on&on
08. Through my eyes
09. BleacH
10. Yes
11. 空が見える場所
アニメ「地獄少女」のOPとして使用されたのは、03. NightmaReと04. 逆さまの蝶の2曲で、これはSonyのタイアップ戦略でしたが、彼女は天才系なのでそういう売り込みは今となっては逆効果のように思いますが、そこで彼女の名前を知ったことを考えると有効だったのかもしれません。この2曲も完成度は高いのですが、ここではそれを凌駕する他のトラックを中心に取り上げていきます。
まず、全編英詩の05. I’m Noですが、注目すべきは彼女の発音の良さだけでなく、むしろボーカルセンスの方で、軽快なテンポにきれいに英詩が乗っています。いや、正確にいうとメロディーラインという曲線上に数ミリ程度のブレをつくるのは、もう完全に洋楽の卓越したボーカリストと同じレベルにあります。同じく07. on&onでは、日本語でそれを可能にしているので、どちらも洋楽のマネではなく、彼女のボーカルセンスが世界標準であることがわかります。この2曲だけでも、現時点で同じレベルの日本人歌手はいないと思います。
それでも、彼女のサウンドの基礎となっているのはアコースティック・ギター(エレアコ?)です。そして、独特の切なさとやさしさを兼ね備えたバラードソングもまた魅力です。ストリングスを使った06. night lightは、冬の夜空に相応しい美しくも切ないミドルバラードです。そして、今回のベストトラックにして、彼女が最初に書いた曲という、10. Yesです。雪がしんしんと降り積もる街中で独り歌うストリートシンガーという内容の歌詞で、その日がクリスマスであるという設定が切ないのにやさしい気持ちになれる究極のハートフルソングです。これは、今年最高のクリスマスソングだと思います。(独りでも二人でも。)
これで1stアルバムというのは末恐ろしいくらい。今年は個人的には邦楽で寂しい思いだったので、この作品はありがたい存在でした。それにしても、10. Yesはマジでキテル。100回は聴いてる。曲も歌詞も最高に泣ける。彼女には長く活動して欲しいと願っていましたが、残念ながら、現在はこのSonyまがいのレコード会社から離れているようで、普通の音楽活動もままならない様子。天才ほど不遇な目に逢うのは今も昔も同じ。どういう形でも、また彼女の作品に触れたいと願っています。
※「空からいちばん遠い歌」(Yes)の試聴はこちら
http://morawin.jp/package/80312130/AICL01792/
※SNoW Official Web Site(Sony)
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/SNoW/
※そばにいるね / SoulJa×Yukie(このyukieというのが・・・)
http://jp.youtube.com/watch?v=YArMcuLnHYg
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