アナログ時代の音楽生活を語るのに欠かせないアイテムが、このカセットテープです。写真ではオシャレな感じになっていますが、昔こういうオシャレなデザインを業界で初めて取り入れたのは、Axiaでした。確か斉藤由貴卒業という歌がCMで流れていたのを覚えています。とはいえ、まだ当時はオシャレだけでは売れなかった時代です。(当時のAxiaのテープはまだ3流のイメージでした。)ここで、カセットテープの種類について述べておきましょう。
廉価品:ノーマルテープ
高級 :クロムテープ(現在のハイポジション)
最高級:メタルテープ

現在のノーマル及びハイポジションのカセットテープは優れているので差異もほとんどわかりませんが、当時は実力差が歴然としていました。価格的にはノーマル3本でクロム2本、クロム3本でメタル2本といった具合でしょうか?(いかにメタルテープが高級だったかわかると思います。)でも価格が違うのはダテじゃない。その性能差は次のとおり。
ノーマル:音域幅は広いがノイズが多い。
クロム :ノイズがかなり少ない反面、特に高音域に弱く曇った音感がする。
メタル :ノイズがなく、しかも全ての音域でクリアに録音できる。

当時の最大シェアはTDK。ノーマルのADから、クロムのSA、メタルはMAを基準に各グレードの中でも細分化(AD-S、AD-X)することで用途に合わせてカセットをチョイスすることができた。2番手の富士フィルムやマクセルを途中ですっかり追い抜いたのがSony。HFシリーズを機軸として、TDKと同様の商品展開でシェアを分け合う。そしてAxiaは、実は、この2強に負けかけた富士フィルムが姿と販売戦略を変更して出てきたテープなのだ。PSシリーズを機軸とし、消費者ターゲットをお金の無い若者に絞ってきた。つまり、音質はそこそこにして(Axiaには当初からメタルテープがない)あくまでデザイン重視(業界初のスケルトンモデルを製造したのはAxia)と低価格を実現することで、若者層の指示を得た。

で、音楽旅人的にはどうだったかというと、さすがにテープまでこだわりが!(笑)デザインは別として、意外と低価格で音質の良い外国メーカーのBASF(バスフ)のクロムテープ、ノーマルでもありメタルでもあるという世にも珍しい初期SonyのDUAD(少し高かったけど非常にマル!)、とっておきは誰も知らないPanasonicX**DUという特殊ノーマルテープ。(これはメタル並みの音質でテープ自体が銀色に輝いていて、他とは全く違う磁気を使っている!)

ちなみにこの特殊ノーマルには、カシオペアナイトフライトが録音されて、今も家にあったりする。つまり、当時の最高のお気に入りは最高のテープで、友達からのダビングはAxiaでという使い分けをしていましたね。

うーん、それにしてもカセットテープについて、ここまで語るヤツっているだろうか?(爆)「おお!おれもSonyのDUAD持ってる!」っていう人いたらお便りください。(いないって!)

次回は、サンヨーの「お洒落なテレコ」と、日本のミュージックライフの文明開化である「ウォークマン」について語りたいと思います。

コメント

nophoto
山本 S遠
2006年4月25日15:05

僕は、15ですが、テープ大好き人間です・・・・
そのためか、友人や、親に時代から逆境しているといわれますメタルポジションが、製造中止になったのには、かなりショックを受けています。
(なぜか100円ショップでは、AXIAのがまだ売れています)

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