実は私、世間では酷評されている今年の大河ドラマ「平清盛」にはまっています。確かに私の周りの人は「今回のは見ていない。」という人が多いです。主な理由は「映像が汚い」とか「ストーリーが難解」とか大方の悪評判どおりの答えです。でもねー、私は正直言って、今回の大河ドラマ「平清盛」は過去に例を見ないほど質が高いと思っています。今日は酷評される平清盛を応援すべく、私が感じた魅力を書きます。

まず、「映像が汚い」と感じる人は、これまでの大河ドラマの常識にとらわれた人だと思いますね。作られたセットでお決まりのアングルで撮影される今までの大河ドラマとはまるで違う。地デジの特性を生かしたリアリティーのある映像は汚いのではなく、深いのだ。特に年配の人間にはそうした感覚はない。某知事は自分には平成の感性が無いことを公言したようなものだ。(それ以前に公人として発言することではないわな。)

「ストーリーが解らない」という人は、確かに理解できる。私も最初の方はよく解らなくなって、公式HPで調べたりした。この点はNHKも後で改善して、話の始まる前に解説を入れるようになった。ただ最初で嫌になった人がいたら残念だ。

物語は現在、保元の乱、平治の乱と佳境に入っている。中井貴一三上博史を始めとする有名俳優がいなくなって、どうか?という懸念もあったが、主役の松山ケンイチはもちろん、取り巻きの役者さんたちが渾身の演技を見せている。

特に平清盛の叔父「平忠正」を演じた豊原功補、源義朝の父「源為義」を演じた小日向文世の2人は、これまで脇役、端役でキャリアを積んできたベテラン俳優さんだが、有名俳優を上回るほどの素晴らしい演技だった。最初のナレーションではないが、この2人なくしてドラマ「平清盛」はなかったといえるだろう。

脚本や演出もなかなか凝っている。上記の2人は保元の乱の後に斬首されるのだが、斬られる側2人の演技の違い、斬る側(松山と玉木)の2人の違い、がうまく平氏と源氏の違いとなって行く所は、演出の妙だと思う。

大河50周年というだけあって、かなり力の入ったドラマで、演出も撮影手法も全てが凝っている。私は毎週、ドラマというより映画を見るような感覚で楽しみにしている。

最後に、平清盛が不評であることについて評論家が「作品として上質なものが大衆の人気を得るとは限らず、今回の大河ドラマは制作側の意気込みに反して、多くの人にとって敷居の高いドラマになったという事ではないか?」という主旨のコメントをしていた。全く同感だ。

個人的には「タルカス」と「今様」を組み込んだオープニング曲は斬新だった。既にここからこれまでの大河ドラマとは違っていたんだと思う。今後も平清盛を応援していきます。(もうブログには書かないけどね。)

※平清盛 公式サイト(NHK)
http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索