久しぶりにCDレビューをします。個人的にも今夏で最もよく聴いたアルバムです。久保田利伸のコンセプトアルバムで、Parallel World II KUBOSSAです。これはパラレルワールド第2弾という形で発表されていますが、多くの人は「第1弾なんてあったっけ?」と思うはずです。実は私も忘れていたくらいの91年に発表したレゲエサウンドのミニアルバム「KUBOJAH」が第一弾になります。(なんと20年以上前の作品です。)

当時はまだ日本でレゲエがあまり知られていない中で、発表された実験的な作品でしたが、この数年後に本格的なレゲエブームが国内に巻き起こります。ここでも彼はパイオニアでした。もう「KUBOJAH」は入手困難だと思いますが、アラフォー世代の人なら持っている確率が高いです。

さて、話を今作の「KUBOSSA」に戻します。今回は洋楽のカバーをカフェボッサアレンジにして、大人のムードで極上の癒しと安らぎの音楽になっています。
Parallel World II KUBOSSA / 久保田利伸
01. As you’re in Rio ~Foreplay~
02. Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars)
03. Smile・Eyes・Cry
04. Between The Sheets
05. Dance If You Want It (KUBOSSA ver.)
06. Heavenly Lady
07. As you’re in Rio ~The play~
08. The Shadow of Your Smile
09. a Love Story (KUBOSSA ver.)
10. 雨音 (KUBOSSA ver.)
11. My Cherie Amour

洋楽のスタンダードナンバーと自信のセルフカバーという構成ですが、アルバム全体としてはオシャレなカフェで流れるようなスムースボッサで心地よいサウンドになっています。まずは洋楽の解説から。

イントロを終えての02. Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars)がオープニング曲となりますが、この曲はボッサの神様、アントニオ・カルロス・ジョビンの曲で、リオデジャネイロから見える、コルコバードの丘を指します。(大きなキリスト像の立つ丘です。)ボサノヴァのスタンダードと言える有名曲です。次に、08. The Shadow of Your Smileですが、これはエリザベス・テイラー主演の映画「いそしぎ」のテーマ曲で、66年のグラミー受賞曲。とはいえ、日本で知る人は少ないはずです。他の04. Between The Sheets(アイズレーブラザーズ)と11. My Cherie Amour(スティーヴィー・ワンダー)は有名すぎるので解説は割愛します。

次は、久保田自身のセルフカバー曲です。先の「KUBOJAH」にも収録の10. 雨音はスローボッサになっていますが、当時の面影のあるアレンジです。逆に驚くのは、彼の代表曲でもある05. Dance If You Want Itがミドルスローになっています。このギャップがデビューからの25年の歳月を物語っています。メロディーのいい曲はどんなアレンジでもいい曲で有り得るということを証明しています。

最後に、日本の音楽界を「歌謡曲」からネクストレベルに展開したパイオニアである久保田利伸が、今でも現役でいて、しかもこんなにもアダルトな歌い方の出来る人になっているのは驚嘆に値します。また、彼の昔のCDを出して聴いたことが今年の夏の思い出のひとつになりました。

※試聴はこちら
http://mora.jp/package/43000001/4547557017977/

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