久しぶりにCDレビューをします。このブログでは初登場ですね。今人気急上昇中の3ピースロックバンド、UNISON SQUARE GARDENのサウンドが一つの完成形となった名盤、Populus Populusです。ユニゾン・スクエア・ガーデン(以下ユニゾン)のサウンドの特徴は、軽快でキャッチーなメロディーラインと疾走感のあるスピードロックだと思います。

最近でいう所の「下北系」と呼ばれるロックバンドとして認知されてきますが、彼らが単に下北沢を中心に活動してきたということ以外で、彼らのサウンドを括ることは出来ません。ポップでキャッチーなのに軽薄にならないロックサウンドは彼らのオリジナリティーであり、最大の魅力であると思います。
Populus Populus / UNISON SQUARE GARDEN
01. 3 minutes replay
02. kid,I like quartet
03. プロトラクト・カウントダウン
04. きみのもとへ
05. 僕らのその先
06. スカースデイル
07. ワールドワイド・スーパーガール
08. CAPACITY超える
09. 場違いハミングバード
10. カウンターアイデンティティ
11. 未完成デイジー
12. オリオンをなぞる
13. シュプレヒコール~世界が終わる前に~
キャッチーでポップなのに、凄くスピード感があり、独特の世界観を持った歌詞も含めて、オリジナリティーは高いです。このアルバムは多くのシングル曲を含んでいて、絶対にオススメです。

少しメルヘンチックなメロディーが印象的な06. スカースデイルはどこかハートウォーミングなロック。彼らの名前を有名にした、12. オリオンをなぞるは激しいテンポなのにドラマティックな美メロです。この2曲はユニゾンのロックを語るのに欠かせない代表曲です。

彼らが軽薄なバンドにならないのは、トゲのあるソリッドなスピードロックがあるからです。10. カウンターアイデンティティは最初からフルスロットルで始まり、多様な展開をするサウンドにはまさに彼らのアイデンティティーを感じます。08. CAPACITY超えるは歌詞がユーモアで、サウンド面でも変幻自在のリズムで、彼らのサウンドの幅が広いことがわかります。

既に次のアルバムも出ていますが、ユニゾンを最初に聴くならこのアルバムから聴いてみることを強くオススメします。ヘヴィーな音で海外ロックバンドに追随していくバンドが多い中で、J-POPを起源にした新世代のロックバンドが日本を代表するバンドになって欲しいと思っています。

※試聴はこちら(各数字をクリック:要Quick Time)
https://itunes.apple.com/jp/album/populus-populus/id446040428

※UNISON SQUARE GARDEN Officail Web Site
http://unison-s-g.com/
久しぶりにCDレビューをします。個人的にも今夏で最もよく聴いたアルバムです。久保田利伸のコンセプトアルバムで、Parallel World II KUBOSSAです。これはパラレルワールド第2弾という形で発表されていますが、多くの人は「第1弾なんてあったっけ?」と思うはずです。実は私も忘れていたくらいの91年に発表したレゲエサウンドのミニアルバム「KUBOJAH」が第一弾になります。(なんと20年以上前の作品です。)

当時はまだ日本でレゲエがあまり知られていない中で、発表された実験的な作品でしたが、この数年後に本格的なレゲエブームが国内に巻き起こります。ここでも彼はパイオニアでした。もう「KUBOJAH」は入手困難だと思いますが、アラフォー世代の人なら持っている確率が高いです。

さて、話を今作の「KUBOSSA」に戻します。今回は洋楽のカバーをカフェボッサアレンジにして、大人のムードで極上の癒しと安らぎの音楽になっています。
Parallel World II KUBOSSA / 久保田利伸
01. As you’re in Rio ~Foreplay~
02. Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars)
03. Smile・Eyes・Cry
04. Between The Sheets
05. Dance If You Want It (KUBOSSA ver.)
06. Heavenly Lady
07. As you’re in Rio ~The play~
08. The Shadow of Your Smile
09. a Love Story (KUBOSSA ver.)
10. 雨音 (KUBOSSA ver.)
11. My Cherie Amour

洋楽のスタンダードナンバーと自信のセルフカバーという構成ですが、アルバム全体としてはオシャレなカフェで流れるようなスムースボッサで心地よいサウンドになっています。まずは洋楽の解説から。

イントロを終えての02. Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars)がオープニング曲となりますが、この曲はボッサの神様、アントニオ・カルロス・ジョビンの曲で、リオデジャネイロから見える、コルコバードの丘を指します。(大きなキリスト像の立つ丘です。)ボサノヴァのスタンダードと言える有名曲です。次に、08. The Shadow of Your Smileですが、これはエリザベス・テイラー主演の映画「いそしぎ」のテーマ曲で、66年のグラミー受賞曲。とはいえ、日本で知る人は少ないはずです。他の04. Between The Sheets(アイズレーブラザーズ)と11. My Cherie Amour(スティーヴィー・ワンダー)は有名すぎるので解説は割愛します。

次は、久保田自身のセルフカバー曲です。先の「KUBOJAH」にも収録の10. 雨音はスローボッサになっていますが、当時の面影のあるアレンジです。逆に驚くのは、彼の代表曲でもある05. Dance If You Want Itがミドルスローになっています。このギャップがデビューからの25年の歳月を物語っています。メロディーのいい曲はどんなアレンジでもいい曲で有り得るということを証明しています。

最後に、日本の音楽界を「歌謡曲」からネクストレベルに展開したパイオニアである久保田利伸が、今でも現役でいて、しかもこんなにもアダルトな歌い方の出来る人になっているのは驚嘆に値します。また、彼の昔のCDを出して聴いたことが今年の夏の思い出のひとつになりました。

※試聴はこちら
http://mora.jp/package/43000001/4547557017977/

春らしい日の間に寒いがあったりと不安定な気候でしたが、ようやくポカポカ陽気の日が続くようになってきました。GWへ入ったこともあって、本当に春が来たような感じです。そんなわけで、今日は春らしいCDを取り上げます。セツナ系の代表的な存在だったYU-Aの昨年の春に発表した最新アルバム。今回は今までのYU-Aのイメージを払拭するような新しい魅力のある楽曲で構成されています。

DREAM / YU-A
01. INTRO
02. 片想い
03. あなたの笑顔
04. 鍵
05. HAPPY BIRTHDAY ~Celebration~
06. ごめんね、ママ
07. DREAM
08. Hey Ladies!
09. I WANT YOU
10. SWITCH feat.MYNAME
11. 夜明けが来るまで
12. LINK
13. oyasumi
14. 近づきたくて (ボーナストラック)
15. 誓い (ボーナストラック)
16. 信ジルモノ (ボーナストラック)

明るくキャッチーでガールズスタイルなR&Bの片想いや、今回のカバー曲もKool & The Gang のCelebrationをカイリー・ミノーグの時に近いアレンジで楽しく歌い上げています。こういう明るい曲が彼女には少なかったので、幅が広がったと思います。

それでも、彼女の場合はバラードが映えます。ただ今作では恋愛テーマではなく、ごめんね、ママなどの家族愛や、応援歌のようなDREAMなど、普遍的な事柄をテーマに歌っています。流行に流されない彼女の姿勢がうかがえます。

もちろんセツナ系を否定するわけもなく、KJとのコラボ、近づきたくてでは、これまでどおりのあの声でセツナさを倍増させています。彼女の声質はやはり切なさに特化しています。

今年は彼女のソロデビュー4周年にあたり、これまで以上に積極的な活動をするようです。一般オーディションから出てきた頃を含めるとキャリアはもっと長いですが、当時にいろいろと苦労をした分、今では多方面でも活躍できるシンガーとなっています。とりあえず今年の彼女には注目です。

※YU-A Official Web Site
http://www.yu-a.com/

※片想い / YU-A (Short Ver)
http://youtu.be/gmiRkCYAZpY

※近づきたくて / K.J. with YU-A(full ver)
http://youtu.be/9ILLV85aIzQ

最近は少し春のような暖かい日があるようになってきました。今年の冬は本当に寒かったので嬉しい限りです。とはいえ、まだ冬が終わったわけでも無さそうですが・・・

さて、今日は一足先に春の陽射しのように爽やかなR&Bをピックアップです。フィラデルフィア出身の新人男性R&Bシンガーで、ラティーフ(LATIF)です。

彼の故郷のフィラデルフィアは、治安もよくアメリカの中では上品な街といえます。そんな空気を反映してかNYなどと違った、都会的でスウィートなソウルが誕生します。こうしたフィラデルフィア発のオシャレなソウルのことをフィリー・ソウルと呼びます。

そして彼は当時のフィリー・ソウルの代表的なミュージシャン、テディ・ペンダーグラスと家族ぐるみの付き合いがあり幼少の頃から直伝でレッスンを受けてきたので、「フィリー・ソウルの最後の遺伝子」と賞賛を込めて評されています。

LOVE LIFE / LATIF
01. Crazy Love
02. One Kiss
03. Do You Love Me
04. Let Her Know
05. Dry
06. Destination Us
07. Things Ain’t The Same
08. Inhibitions
09. Off In Da Club feat.Ryan Leslie
10. Oh Cherry
11. Can’t Win
12. Faithful

このアルバムは、ニーヨ(NE-YO)やビヨンセ(BEYONCE)でお馴染みの美メロの代名詞STARGATEがプロデュース。ここに次世代のフィリー・ソウルが誕生したといえます。

効果音から一気に甘い歌声で惹きつける、01. Crazy Loveは、幕開けに相応しい美メロナンバー。続くキャッチーなアーバンソウルの02. One Kissは、アルバムを代表する曲で、まさにニューフィリーソウルの雰囲気。

変則的なサウンドで違った魅力を出しているのが、06. Destination Usや、08. Inhibitionsあたり。後者の曲は変則2ステップを取り入れた最近のUKソウルサウンドのアレンジ。クレイグ・デイヴィッドを彷彿させます。

最後の12. Faithfulは、アコースティクソウルでどこか懐かしい雰囲気の穏やかなナンバー。この曲での彼のファルセットを含む極上のハイトーン・ボーカルが堪能できます。

全曲、素晴らしい出来栄えで、彼の才能が十分に発揮されている名盤です。そして先月には4枚目となる最新アルバム「IV LOVE」がリリース。先にも書きましたが、クレイグ・デイヴィッドが好きな人にはハマルと思います。少し暖かい日に一緒に出かけたくなるCDです。オススメ!

※このアルバムの解説記事(BARKSニュース)
http://www.barks.jp/news/?id=1000073002

※全曲試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/artist_Latif_000000000222186/item_Love-Life_4175831

※LATIF "ONE KISS" PV
http://youtu.be/xYEAV0J70qc

今日はジャンル的にはクラシックのコーナーに置いてあるであろうCDを取り上げます。え?このカワイイ子とクラシック?「アイドル声優さんのコーナーと間違えているのでは?」という声が聞こえてきそうなくらいキュートな女の子のジャケ写になっていますが、こちらも間違いなくクラシック界においてのその才能を認められているアルパ奏者上松美香のアルバムなんです。もちろんたくさんあるCDの中では異色で、遊び心がいっぱいの等身大な彼女の魅力が詰まった演奏が楽しめる内容になっていますので、お子様のあるご家庭などには、オススメですね。(親しみやすく芸術に触れることが出来ますよ。)

アニパ / 上松美香
01.『風の谷のナウシカ』~鳥の人
02.『魔女の宅急便』~海の見える街
03.『ルパン三世』~テーマ
04.『NANA』~Endless Story
05.『フランダースの犬』~よあけの道
06.『キャンディ・キャンディ』~オープニング・テーマ
07.『千と千尋の神隠し』~いつも何度でも
08.『天空の城ラピュタ』~シータの決意/君をのせて
09.『となりのトトロ』~風の通り道
10.『キューティーハニー』~テーマ
11.銀河鉄道999
12.『まんが日本昔ばなし』~にっぽん昔ばなし

やはり最初に「アルパ」についての基礎知識を少しご紹介。アルパとはインディアン・ハープの一種で、通常のハープ(あのでかいヤツね。)よりは少し小さめな楽器のことです。彼女いわく、「なんとか乗用車で移動できる」くらいの大きさだそうで、インストア・ライブとかも出来るそうです。(当然、店によりますが。)そんなアルパ奏者としての彼女の実力は高い評価を受けていて、多くの受賞経験があります。それでもさらにレベルアップのため2003年は活動休止して海外へ武者修行に出かけ、翌年の帰国と同時にクラシックといえば「ユニバーサル」というくらいの、天下のユニバーサル・レコードと契約し、移籍というよりは再デビューという感じで新たなスタートを切りました。

で、今回のアルバムはユニバーサルで2作目のビックリ企画でしたが、クラシックの伝統が持つある種の規範から一歩はみ出してみた感じで、これも最近風にいうなら「カバーアルバム」ということになるのでしょうか?おそらく賛否両論あったと思いますが、私はこういうのもまた「クラシック」であってもいいんじゃないかなって思いましたね。アレンジはユーモアに富んでいますが、曲に対する演奏に違いがあるようにも思いませんでしたし。(素人感覚ですけど。)

私のツボにはまったのは、微妙な所をつく選曲ですね。特にジブリのサントラの隅っこで隠れていた名曲を演奏してくれているのが嬉しいです。02.『魔女の宅急便』~海の見える街は、キキがトンボの家にパンを歩いて届けるシーンで使用された曲です。あの美しい海岸沿いの町の風景は宮崎監督がスケッチした実在の町だそうです。01.『風の谷のナウシカ』~鳥の人は最後のエンディングだし、08.『天空の城ラピュタ』~シータの決意/君をのせてはもうあの一番いいシーンですよ。

他にも伊藤由奈もビックリの04.『NANA』~Endless Storyや、倖田來未もしみじみしてしまう?10.『キューティーハニー』~テーマなんかは、ジブリよりも想像のできないアルパが聴けます。アルバム全体として聴くとバランスは微妙な感じもありますが、知ってる曲で美しいアルパの音色を聴くことができるのは、とても親しみが持てるし、多くの人に関心を持ってもらえるのでいいと思います。そして、先月に3枚目のCDが発売されました。今回はアルパの原点である「ラテン」がテーマのようです。彼女の新しいクラシックが今後どう展開するのか?気になる人は下記サイトでチェックしてみてください。

※上松美香 Official Web Site(UNIVERSAL J)
http://www.universal-music.co.jp/mika-agematsu/
久しぶりにCDレビューです。私の大好きな女性ボーカリストの一人、日之内エミのミニアルバムで、VOICEです。これほどの実力のある歌手はいないし、実際に音楽業界での彼女の才能に対する評価は高く、DJ.KOMORI、MAKAIなどにゲストボーカルとして参加しているなど実績も多くある。そんな才能のある人ほど商業的に成功しない今の音楽業界は以前にも増して、おかしな方向に向かっているように思えます。まぁ、そういう難しい話はさておき、メジャーレーベルから移籍してリリースされたこのミニアルバムを紹介していきましょう。

VOICE / 日之内エミ
1. 小さな光 feat. AZU
2. Catch Me!!!
3. 卒業 -congratulations- feat. Lotus Juice
4. Diary...
5. growing up
6. VOICE
7. サマーデイズ
8. 君のために -smile remix-
*9. 君のために -Acoustic Live Editon-
(TSUTAYAレンタル限定special盤のみ収録)

本人も親しくしているAZUとのコラボは、キャッチーなミドルソング。後半のハモリが素晴らしい。ハヤリに流されない名曲です。2. Catch Me!!!は、今までの彼女にはなかったアッパーチューンなサウンドで、だいぶ激しいボーカルを聴かせてくれます。

3. 卒業 -congratulations-や、8. 君のために -smile remix-あたりは、変わらない日之内エミならではのキュートでキャッチーなボーカルで、私の好きな彼女が健在であることを再認識させてくれます。

今作の目玉と言えるのが、4. Diary...。これはもう最高のバラードです。彼女の歌の上手さが他のアーティストとは一線を画すレベルだということがわかるはず。いろんな意味で感動的な名曲です。

最後に個人的に好きなトラックは、5. growing upです。大人になったから歌える切なさと憂いを含んだミドルナンバー。地味だけど歌詞も含めて、ベテランの彼女に相応しいトラックだと思います。

現在はライブや、サポートとして活動中の彼女ですが、自分でアルバムが出せない状況に陥るのは残念すぎます。そういう意味では、ミニアルバムでも出せたのは良かったと思いますが、彼女の実力に見合った活躍の場はもっと沢山あってしかるべきだと思います。私はこの歌声だけは失いたくないです。だから作品として残る形でアルバムが出ることを心から願います。

※全曲試聴はこちら
http://listen.jp/store/album_mcjpextn023.htm

※日之内エミ mini album『VOICE』 CM SPOT
http://youtu.be/kLkp73iqdyg

※日之内エミ / Diary... PV Full version
http://youtu.be/CKSQrXzw6bE

長い夏が終わって、ようやく秋らしい気候になってきました。そんなわけで、秋らしい爽やかなCDを取り上げます。フォーキー・ソウルのパイオニアとして、長く活動しているベテラン男女ユニットのwyolica。98年に大沢伸一(モンド・グロッソ)がbirdに続いて世に送り出した第二弾アーティストが、彼らでした。そんな彼らの最新アルバム(といっても2年前発表)は、インディーズ系を扱う独立レーベル「バウンディ:BounDEE」(現在はスペースシャワー系列)からのリリース。これにより、このCDはレンタルになければ、既に入手が困難となっています。

そういうCDに限って、超名盤だったりするので困ります。おそらくwyolica史上で最高の作品だと思います。ジャケット写真のイメージどおりの爽やかな音楽が詰まっています。

castle of wind / wyolica
01. 明日へのノクターン
02. 月夜に咲いた恋
03. 恋の幻
04. 逢いたいから(Album Ver.)
05. 君にありがとう
06. Sha la la feat.Junpei Shiina
07. サヨナラ
08. Everything is gonna be alright
09. TRUNK
10. MUSIC RIDER
11. 僕は忘れない
12. 会いたくて
13. 微笑みのサルサ

azumiの染み込むような歌声はより磨きがかかり、一瞬で心を奪われます。01. 明日へのノクターンは、秋風のような爽やかな曲。続く02. 月夜に咲いた恋は、長い秋の夜を歌った大人のアーバンソウル。

04. 逢いたいから(Album Ver.)は、生楽器のみの完全アコーステックサウンド。azumiのボーカルの上手さが際立っています。06. Sha la la feat.Junpei Shiinaは椎名純平とのデュエット。こんなに相性のいいデュエット曲に出会うのは久しぶりなくらいの奇跡のハーモニーです。

ただ聴きやすいだけじゃない深みのあるのが07. サヨナラ。同じ人とは思えないようなazumiの苦しいほど切ないボーカルが心に残ります。とにかくいい曲ばかりですが、個人的にベストトラックなのが、12. 会いたくて。究極のフォーキー・ソウルバラッドで、彼らにしか出来ない曲。 究極のwyolicaがこの1曲に集約されていると思います。

総じて、これほどの完成度のCDがメジャーで出ないというのがありえない。いや、もはやタイアップなどの話題性がなければダメな今の音楽業界においては、むしろ当然なのかもしれません。入手困難とはいえ、まだ2年しか経ってないのでCDショップの片隅に眠っているかも?プレスが少ないと思うので、新品で現物を見かけたら「お宝もの」です。

※全曲視聴はこちら
http://www.amazon.co.jp/castle-wind-wyolica/dp/B003TOAXME/

※明日へのノクターン(PV Short.ver)
http://youtu.be/O4loCFc611g

※月夜に咲いた恋(PV Short.ver)
http://youtu.be/FvU6VYTFMsg

※wyolica Official Site
http://www.wyolica.net/

うーん、雨ですね〜。しかも一日中。これではこのまま「ひきこもり」になりそう。(苦笑)でもね、私は以前からこのブログで書いてますけど、たまに来るこんな雨の日もわりと好きだったりします。なんかちょっとブルー気味というか、一人でボーっとしたくなったり。そういう気持ちを色で表現するとね、ちょうどダークブルー(濃紺)ですかね。英語はちょっと濃いものをダークと表現しますよね?なんか男としてカッコイイ表現だと思います。今日はそんなダークブルーな男のソウルを表現するアーティスト、椎名純平のミニカバーアルバムをご紹介。昭和世代の人に特に聴いて欲しいですね。

Discover / 椎名純平
01.モンキーマジック / ゴダイゴ (featuring TWIGY)
02.いつか晴れた日に / 山下達郎
03.Yes-No / オフコース
04.IF YOU WERE THERE / Isley Brothers
05.WHERE IS THE LOVE / Roberta Flack & Donny Hathaway
(duet with 椎名林檎)

06.勝手にしやがれ / 沢田研二
07.どしゃぶりの雨の中で / 和田アキ子
08.浅い夢 / 来生たかお

邦楽は主に昭和の歌謡曲から、洋楽はまさにディスコ時代以前の初期のソウルミュージックから、それぞれカバーしています。01.モンキーマジック / ゴダイゴ (featuring TWIGY)は、今では香取慎吾の「西遊記」の主題歌だった『Around The World』がヘビロテですが、この椎名バージョンもかなりカッコイイです。なんせ日本のラップ界のパイオニアとも言えるTWIGYの若手にはマネのできないラップは必聴。

で、私のいうダークブルーなナンバーが、02.いつか晴れた日に / 山下達郎で、まさに雨の日を歌った曲なんですけど、もう彼のオリジナルと偽って聴かせても気がつかないくらい。みごとに椎名ソウルになってます。07.どしゃぶりの雨の中で / 和田アキ子も雨ソングですが、こちらはゴッド姉さんへのリスペクトか、雰囲気は原曲に近い感じで、ブルース調に仕上がってます。

最後にやっぱり一番クールなのは、05.WHERE IS THE LOVE / Roberta Flack & Donny Hathaway (with 椎名林檎)。そうです。正真正銘の兄妹デュエットです。そして、この曲は洋楽としては本当に多くに人がカバーしている有名な名曲です。(例えばピーボ・ブライソンとかね。)

アルバム終わりの08.浅い夢 / 来生たかおとか、03.Yes-No / オフコースとかも、聴いてると昔の日本にもいい曲ってたくさんあったんだなぁ〜。っていう新たな発見がありますね。このアルバムのタイトルは椎名純平自身もそういう気持ちだったのかなって思いますね。やはり彼は本物のアーティストですね。アルバムタイトルの「discover」の「cover」はカバーの意味なのかな?そんな所もカッコイイと思います。

※椎名純平 Official Web Site(Sony Music)
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Arch/AI/JunpeiShiina/

※試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/artist_%E6%A4%8E%E5%90%8D%E7%B4%94%E5%B9%B3_000000000149865/item_Discover_625909

※関連過去記事(雨の日の音楽プレイリスト)
http://diarynote.jp/d/57127/20060617.html
日本の音楽界を代表する天才ソウル・シスターズ、SOULHEAD(ソウルヘッド)のAvex移籍後初のアルバム。タイトルはそのまま「SOULHEAD」で、再スタートへの強い決意が伺えます。ベテランなのにまだまだ攻めの音楽が多く、ロックスタイルを取り入れるなど、パワフルなナンバーで圧倒します。この2人、まだまだ落ち着いた雰囲気で大人の音楽に・・・・なんて考えはサラサラなさそう。まったくたいした姉妹です。(笑)


SOULHEAD
01. Show Time
02. Whatever
03. Cosmic Walking
04. 9Dayz
05. 限界ピストルズ
06. New Kicks
07. confession
08. Plunder
09. The Battle Of...
10. All My Dreamer
11. FANTASY
12. Pass the love
13. 大きな世界の小さな僕ら

約4年ぶりとなったアルバムですが、これまでの彼女たちのソウルがよりシャープで危険なくらいのスピード感をまとった曲が多いのが特徴です。1曲目の01. Show Timeに、新生SOULHEADの方向性が現れています。今までなかったロックギターをフューチャーした激しいアッパーチューンです。05. 限界ピストルズでもそうで、こちらの方がギターが唸りまくりです。

じゃあもうソウルではないのかというと、04. 9Dayz06. New Kicksでは、シャープでソリッドなラップを惜しげも無く披露しています。02. Whateverは、今までの彼女たちの路線上にある爽やかでキャッチーなナンバー。11. FANTASYもテクノの要素を取り入れた爽やかなナンバー。このあたりを聴けば少しホッとします。

総じて言えることは、今回の作品はロック色が強く出ています。よくR&B、ソウルが好きな人は、ロックギター音が苦手な人が多いのですが、そういう人にはオススメできないかもしれません。ただバランスの良い作品なので、まずはレンタルでも聴いてみるのがいいと思います。案外ギター音とのコラボがカッコイイと感じるようになるかもしれませんし。

それにしても、いつまでもパワフルなこの姉妹の活躍に今後も目が離せません。

※SOULHEAD Official Web Site
http://www.soulhead.info/

※視聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/artist_Soulhead_000000000202309/item_SOULHEAD_3726318

※「Whatever ~ 限界ピストルズ」Short PV
http://youtu.be/c6W4DG5QPTY

ジャパニーズ・レゲエの女王、PUSHIMのアルバム。今までのアルバムの中から、歌ものを中心にセレクトしたものなんですが、選曲がかなりいいので超オススメです。R&Bは聴くけど、レゲエはあんまり・・・という方にぜひオススメしたい1枚。スイートレゲエがどんなに気持ちいいかを感じることができると思います。


DAZZLEZ -Song of Songs-
01. Anything For You
02. a song dedicated(In This Together Mix)
03. Like a sunshine,my memory(EOL Mix〜Edit Version)
04. I Wanna Know You
05. FRESH!
06. らくだ〜歌の歌
07. FOREVER
08. 波が・・・ (Green Tings Version)
09. heavenly
10. Strong Woman (Original Mix)
11. 悲しくてやりきれない
12. 夢じゃないToday
13. Lyrical Feeling(Edit Version)
14. Brand New Day

今回は「歌」に焦点を当てたということですが、これはすごくいいことだと思います。実は彼女は昔から抜群に「歌」がうまいんです。でもレゲエだとその凄さがあまり伝わらないんです。今回のアルバムではその辺がよくわかる内容になっているので、ぜひ一度聴いて欲しいですね。

注目のトラックは03. Like a sunshine,my memoryの別バージョンで、かなりクールになってます。私はレゲエも好きだけど、そこにこだわらないタイプなのでこういうトラックは大歓迎ですね。10. Strong Woman (Original Mix)は曲の良さもさることながら、歌詞も多くの女性に共感できる内容で、彼女の名前が知られるキッカケとなった曲です。

11. 悲しくてやりきれないは私たちの親の世代のフォークソング全盛時代のフォーククルセイダーズというバンドの代表曲。彼女の声で歌われると確かにやりきれない感じがします。(笑)もちろん、彼女の王道であるレゲエナンバーの05. FRESH!07. FOREVERもあって、本当に充実した内容のCDになってます。

※試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/artist_PUSHIM_000000000133222/item_Dazzlez-Songs-Of-Songs_1493547

※PUSHIM Official Homepage
http://www.pushim.com/
久しぶりにブレイクの予感がビンビン来ている女の子を発見しました!彼女の名前はRihwa(リファ)北海道の札幌出身ですが、カナダでの高校生活で楽曲制作をするようになったそうです。帰国後は地元で音楽活動をしてインディーズで話題になり、今月にあのトイズファクトリーからメジャーデビューしました。

曲調は、アコースティックを基調としたポップロックです。洋楽でいえば、カントリースタイルを取り入れたガールズロックのミシェル・ブランチと、もう少しポップなリアン・ライムスあたりに近いでしょうか?日本ではいそうでいないタイプです。あえて例えるなら、Superflyの越智志帆のロックテイストなボーカルをガーリーなスタイルにして、サウンドはカントリーロックにしたような感じかな?

デビュー当初の植村花菜もこんな感じのポップロックだったけど、Rihwaの方がロックテイストを感じるし、荒削りな雰囲気もいい。(植村花菜は最初から完成されていた。彼女の真面目さや誠実さが音楽に出ていた。ま、私はそんな彼女が当初から大好きでしたが。)

CHANGE / Rihwa
1. CHANGE
2. 月とウサギとカメ
3. S.O.S

アルバムは来年になるでしょうけど、タイアップ等で当たれば早ければ年末頃に名前が知られるかもしれません。一応ブレイク予想しておきます。

久しぶりに若い子らしい元気な曲でお気に入りです。本物のロックテイストが感じられるボーカルも越智さん以来かも?バラードとかで売れて欲しくないタイプですね。まだ未知数な部分が多いけど、期待値は高いです。ちなみに今年のサマソニに前座で出るようです。行く人は見ておくといいかも。

※Rihwa Official Web Site
http://www.rihwa.net/

※Rihwa(リファ)「CHANGE」PV(Short ver.)
http://youtu.be/xMoTyO9BDVI

※Rihwa(リファ)「Tell me what you want」PV FULL
http://youtu.be/W4TPR9qwCMI


追記:今年最初に紹介した「School Food Punishment」が解散しました。
内村ちゃんなんでーーー。今年一番ショックでした。

http://www.hotexpress.co.jp/special/110706_sfp/
(既にこの時から・・・時代の先を行くバンドはいつも何故か短命だ。)

90年代を代表するアーティスト、中西圭三の数々の名曲を2000年仕様の音で再構成したセレクトアルバム。この収録曲をみればわかりますが、本人名義の曲よりも他にプロデュースした曲をセルフカバーした曲も多く含まれています。私個人は中西圭三自身のアルバムはほとんど持っているので、こういう手に入りにくかった音源を並べられると弱いです。そしてそういう曲の方が懐かしかったりします。今日は当時の頃のことを書きつつレビューしたいと思います。

01. Choo Choo TRAIN~NATIVE(Love Jungle MIX)
02. Woman
03. ダイヤモンド・レイン
04. Ticket To Paradise
05. ミッドナイト・コール
06. あの空を忘れない
07. WITH(Featuring ゴスペラーズ)
08. 眠れぬ想い(orchestral style)
09. 冷たいキス
10. Timing
11. You And I
12. All I Wanna Do(Duet with Christina)
13. 落日
14. 次の夢
15. 君は君の誇り

まずは1曲目のChoo Choo TRAIN~NATIVE(Love Jungle MIX)です。今ではすっかりエグザイルの代表曲になっていますが、元は某TV番組から結成されたZOOというダンスチームに提供した1曲で原曲は女性ボーカルだった。続くNATIVEもZOOの代表曲。エグザイルのリーダーのHIROは当時のZOOのメンバーでした。Choo Choo TRAINは中西圭三自身のコンサートでもよく自分で歌っていました。

アーティスト活動として最初の大ヒット曲となった02. WomanはカメリアダイアモンドのCM曲に使用されたことで注目されました。後の11. You And Iも同CM曲で大ヒットしました。一方ライブで盛り上げる時に必ず演奏された04. Ticket To Paradiseも当時のファンなら懐かしいナンバー。

09. 冷たいキスは森永製菓のアイス製品「ICE BOX」のCM曲。驚くべきは、この曲は同製品のキャンペーンのコラボ企画として、池田聡、中西圭三を中心としてクリエイター4人(後にSPEEDを生む伊秩弘将も参加)が期間限定ユニット「ICE BOX」を結成。お菓子からユニットが生まれるという異例中の異例でした。

10. Timingはウリナリ(わからない人は検索で。)の番組内で結成されたビビアン・スー率いるブラックビスケッツの代表曲。彼らのダンスの振付を多くの人が真似た。

最後に14. 次の夢。これは男性は中西圭三、女性はポップロック歌手の久宝留理子が歌い、それぞれが日産自動車のCM曲として起用されるという、これも異例の曲。競作であって「共作」ではなく、名義では中西圭三の曲であり、久宝はカバーということになる。久宝verも素晴らしく、聴きたくなるが入手困難だろう。

曲の成り立ちや時代背景をメインに書いてみました。個人的にも最近聴いているのはアラフォー世代のナツメロで、今井美樹とか、久保田利伸とかあたり。今聴いてもいい曲だと思います。

私の思い出の曲は、「眠れぬ想い」(single.ver)、「破壊」(Spinning収録)、非情階段(米倉利紀フューチャーVer.)あたりかな。結構マニアックです。

※アルバム解説ページ(GENEON UNIVERSAL) 
http://db2.geneonuniversal.jp/contents/hp0004/list.php?CNo=4&AgentProCon=15242

※試聴はこちら(要フラッシュ)
http://tower.jp/item/1062252/complete-BEST-SELECTION

今日は久しぶりにCDレビューです。しかも今回はブレイクの期待も!斬新なテクノサウンドのエレクトロニック・ユニット、LILの1stアルバムをピックアップです。大型タイアップも少ないので、まだあまり知られていないかもしれませんが、LILは、4オクターブの音域を持つ女性ヴォーカル、ucio(ユシオ)と、トラックメイカーであり、サウンドプロデューサーでもあるTSUGE(ツゲ)の2人による新鋭エレクトロニック・ユニットです。昨年の1月から放送されたauの「karada manager」(キレイのカギは岩崎さん)のCMソングに抜擢されました。

そのCMソングとなったWatching you feat.WISEは配信チャートで1位となり、このアルバムの先行シングルとなりました。(このPVにはあのトリンドル玲奈が出演しています。)

前置きが長かったですね。それだけ熱が入っているってことです。アルバムのレビューをします。
Synchronize [Limited Edition] / LIL
01. SURF MIND
02. Watching you feat.WISE
03. Girl in the mirror
04. METRO-L feat.環ROY
05. Carnival
06. Just a Way
07. my favorite song
08. S.Y.N.C.
09. BLACK WALL feat.雅-MIYAVI-
10. Beach!!!
11. What time is it now?
12. Teen’s wave
13. Get Over
14. DANCE on The FLOOR (KOZM(R) REMIX)
15. Watching you feat.WISE (DEXPISTOLS Remix)

彼らの特徴の一つとして挙げられるのは、ucioのメロディーラインでのボーカルにエフェクトは一切かけないという点です。また様々な音楽の影響を取り入れているので、Perfume、capsule系の完全なエレクトロを期待している人には向かないかもしれません。しかし、音か声かわからないようなサンプリングの用い方と変則リズムのビートには新しい発想がちりばめられています。今までに聴いたことにない未体験の音楽でジャンル分け不可能。それがLILのサウンドです。

オープニングを飾る、01. SURF MINDは全編英詩なので、洋楽と見分けが付かないです。(たぶん彼女は英語ペラペラ。)シャープでクールな1曲です。02. Watching you feat.WISEはCMソングになっただけあって、最も聴きやすいキャッチーでエレポップな名曲。ベテランラッパーのWISEが突き抜けるようなucioのボーカルを見事に引き立てています。また最後の方のWISEのラップでの盛り上げ方は鳥肌ものです。

03. Girl in the mirrorはこれぞLILのサウンドといえるユーロ系ビートを用いた眩いくらいの輝きを放つ名トラック。08. S.Y.N.C.はミドルでキャッチーなビートに感情を乗せたusioの日本詩での歌が印象に残るトラック。斬新なサウンドなのにどこか懐かしさを感じる不思議な曲。

12. Teen’s waveでは変則リズムのビートに幻惑的なサンプリング効果で酔いそうな音の中で、直線的に歌うusioのノンエフェクトなボーカルが絶妙のバランスです。ちなみに終盤の超高音は彼女の4オクターブ声域の生声です。(ほとんどマライアキャリー状態。)

最後にカバー曲が1曲。05. Carnivalはカーディガンズの名曲カヴァー。原作のイメージを保ちつつ、しっかりテクノサウンドになっています。

これほどのクオリティーで1stアルバムというのはありえないですね。そして、今年の7月に待望の2ndアルバム「L2」が発表になります。現在は、HALCALIとのコラボ作品、「恋はPUSH! feat.HALCALI」が先行配信中です。さらにMAROON5のTHIS LOVEがカバーで収録されるそうです。(既に配信済みのようですが。)2ndアルバムではどんなサウンドを聞かせてくれるのか楽しみです。まだ彼らを知らない人はこのアルバムで話題の先取りをしておきましょう。

※全曲試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3963559

※Watching you feat. WISE (PVフル.ver)>トリンドル玲奈出演
http://www.youtube.com/watch?v=nrLnQgw8NcM

※LIL Official WebSite
http://www.artimage.co.jp/artists/lil/

なかなか更新ができないまま4月も半ば過ぎてしまいました。このブログの当初からの「良いCDを紹介する」という目的も、紹介したいCDはたくさんあるのに、記事にする時間が取れないのが現状です。それでも、紹介するCDも記事の内容も落としたくないので、更新少なくてもがんばりますので、改めてよろしくお願いします。

今日は春らしい爽やかなCDで、しかも隠れた名盤を取り上げます。名古屋のクラブを中心に活動しキャリアを積み、コラボ作品にも多数参加していた実力派の女性R&B歌手、山口リサの2年前の名盤で、Explosionsです。カワイイ系とかセクシー系などを卒業したい女性のためのエレガントビューティーなR&Bスタイルが魅力です。

01. Introduction
02. ENERGY
03. BLACK BUTTERFLY feat.“E”qual, YOUNG DAIS(N.C.B.B)
04. 忘れたくて…
05. ROYAL ROSE feat. AK-69
06. Fantastic Party
07. Strawberry Candy
08. Interlude
09. Flowers
10. Sunshine
11. あなたの隣に…
12. Summer Snow
13. Love is
14. SWEET HOME feat. U-PAC(TAGG THE SICKNESS)
15. サヨナラ

メジャー移籍第一弾だけあって、かなり高い完成度のアルバム。透明感のある歌声にポップでアーバンなサウンドで彼女のR&Bスタイルが確立されたと言える内容です。02. ENERGYは新進気鋭のDJ KOMORIによるハイセンスなキラーチューン。06. Fantastic Partyもパーティーチューンのナンバー。どちらも突き抜けるような歌声が印象的です。

キャッチーなミドルではグルーブ感のある歌い方にどこかエレガントな雰囲気があるのが彼女のスタイルです。07. Strawberry Candy09. Flowersあたりがそうで、楽曲のレベルも高いです。

セツナ系とは違う04. 忘れたくて…は配信でヒットした曲。10. Sunshineは初夏のイメージのやさしいナンバー。彼女の歌声にふさわしい爽やかな曲です。

全部書く訳にいきませんので、この辺にしますが、全体的に非常に完成度が高いです。彼女は以後、毎年コンスタントにアルバムを発表していますが、タイアップなどがないせいか、彼女の名前を知らない人も多いと思います。

R&Bは好きだけだど、学生が聴くような激しいノリのはちょっと・・・という大人の女性に山口リサはオススメです。

※山口リサ Official Web Site
http://www.lisayamaguchi.com/newsite/

※試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3716961

※ENERGY(120sec ver.)
http://www.youtube.com/watch?v=UplnKW_5X6E

※Sunshine(FULL Ver.)
http://www.youtube.com/watch?v=2J2KwucW3fU

3月下旬というのに今日は寒いです。春の足音が聞こえてくるような感じじゃないです。でも、あまり更新できない私は、そろそろ春らしい音楽CDを紹介していきます。このアルバムが出た当初からレビューを書きたいと思っていた注目のアーティストです。

山崎まさよし、スキマスイッチなどを擁するオーガスタレコードがイチオシする超大型新人、さかいゆうです。22歳で単身渡米後、独学でピアノを学び、数多くのセッション経験を積んできたという実力派のアーティストです。彼の特徴は、「涙をいざなうシルキー・ヴォイス」というキャッチコピーどおりの澄み切ったハイトーンボーカルと、ビリージョエルを彷彿させるようなピアノマンであるということです。

Yes!! / さかいゆう
01. N.A.M.E.
02. ストーリー ~album ver.~
03. おはようサンシャイン
04. ウシミツビト
05. ラビリンス
06. ↓
07. Yeeeeahs!!
08. まなざし☆デイドリーム ~album ver.~
09. Room
10. 週末モーニン
11. ティーンエイジャー
12. train ~album ver.~

槙原敬之などが活躍した90年代のJ-POPSを思い出させるサウンドです。彼はJ-POPSをクロスオーバーという形で変化させるのではなく、ポップスの枠組みの中で、新しいJ-POPSの発展系を模索しているそうです。他のジャンル名に比べて、曖昧なJ-POPSというジャンルの新しい扉を開いてくれるような期待と予感が彼にはあります。

メジャーデビューシングルとなった、02. ストーリーは、そんな彼の才能とセンスが輝くナンバー。イントロの美しいピアノの旋律とハイトーンボイスに心を奪われます。08. まなざし☆デイドリームもわくわくするほど軽快なピュアポップスです。歌詞の内容も新感覚で、音だけでなく言葉まで耳に残ります。

09. Roomは涙を誘う切ないバラードソング。控えめなピアノにシルキーヴォイスとストリングスが折り重なる名曲。個人的なベストトラックは、キャッチーなミドルテンポの05. ラビリンスです。これこそ、新しいJ-POPSの可能性を垣間見る斬新なサウンドです。

90年代にJ-POPSの基礎と作った槙原敬之の継承路線にあるようで、それとは異なる新しい感性を感じます。2000年のJ-POPSの新しい扉を開くのは彼ではないかと思います。レンタルも出来ますし、まだ彼を知らない人はぜひ一度聴いてみてください。

※さかいゆう Official Web Site
http://www.office-augusta.com/sakaiyu/

※アルバム紹介特設サイト
http://www.office-augusta.com/sakaiyu/yes/

※試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3822443

※さかいゆう / ストーリー(PV)
http://www.youtube.com/watch?v=ipWDcLdI104


寒い日が続いていますが、今日は今一番ホットな新人女性R&Bアーティストをご紹介です。その女性の名前はAISHA。彼女は間違いなくソウルディーバとなる本物だと思います。その圧倒的な歌唱力と天性のソウルフルな感性が、これまでの和製R&Bの限界を大きく引き上げてしまいました。まだフルアルバムが出ていませんが、2枚のミニアルバムだけでも、彼女の非凡な才能と可能性を感じ取ることが出来るはずです。


AISHA.EP II / AISHA
1. Heartbeat
2. I Wanna Rock You
3. Love Again
4. STAY
5. I Wanna Rock You (mabanua Remix)
6. Love Again (DJ Hasebe Remix)

レビューの前に少し音楽の話を。タイトルにあるAISHA.EP II のEPという意味をご存じでしょうか?これは音楽の形態がレコード盤だった頃、LP盤とシングル盤(通称:ドーナツ盤)の2種類がメインでした。そんな時代にシングルと同じ直径7インチ(17cm)でLPと同じ回転数で再生することで、「4~6曲入り」が可能になった特殊なレコード盤をEP(Extended Play)と呼んでいたのです。

もはやデジタル世代において知る人の方が少ないEPという言葉をあえて取り入れたのは、実際の収録曲数だけでなく、特別な意味を持たせたのだと思います。

さて、中身の方を簡単にご紹介。今回のリード曲は2. I Wanna Rock Youです。一度聴くだけで虜になるほどのキラーナンバー。これぞ、AISHAと言えるソウルフルなR&Bです。日本語でここまでソウルなのは聴いたことがないですね。

さらに、アーバンチューンの3. Love Againでは、スタイリッシュでクールなボーカルを聴かせています。時に熱く、時にクールにきめる彼女のボーカルテクニックの幅の広さに驚かされます。

最後の4. STAYが全て英語なのは、90年代のUK女性グループ、Eternal(エターナル)の名曲のカバーだからです。

とにかく圧倒的な歌唱力とソウルパワーを先取りで感じて下さい。今後の要注意シンガーだと思います。

※全曲試聴はこちらで。(mora win)
http://morawin.jp/package/80312130/BVCL00208/

※AISHA Official Web Site
http://www.aisha-online.com/

※I Wanna Rock You (PV) / AISHA
http://youtu.be/rbbroOfQaF0
今日は久しぶりのCDレビューです。今年最初のレビューでもあるので、これから要注意のバンドをブレイク予想も含めて、ご紹介します。最先端のエレクトロサウンドと日本のロックサウンドを斬新なアイデアで見事に融合させ、現在進行形のバンド、School Food Punishmentの最新アルバムで、Prog-Roidです。約半年の活動休止期間を経て制作された、このアルバムは彼ら自身が、第2章のスタートと位置付けるように、全ての面で最も完成度の高い作品になっています。

Prog-Roid / School Food Punishment
01. free quiet
02. RPG
03. in bloom
04. ウツロウ、サンガツ
05. ≠
06. are
07. Ura Omote
08. ハレーション
09. flashback trip syndrome
10. 光
11. Y/N

実は、近年はエレクトロ技術とロックサウンドの融合で成功しているバンドは少なくはないです。先駆者としてのニルギリスUVERworld、近年ではサカナクションが有名です。これに比べて、School Food Punishmentはキュートな声の女性ボーカルと対称的な激しさとダークグレーな雰囲気を持つロックバンドでした。

しかし、今作ではサウンド面だけの融合ではなく、全てのジャンルを超越した先にある音楽感性の融合を実現しました。この完成度で第2章となれば、末恐ろしいバンドです。時代を先取りしている彼らの感性を文字にするのは難しいですが、簡単にレビューします。

先行シングル曲の02. RPGは、この中では最も継承路線の曲で、おそらく名刺代わりの曲だと思います。とはいえ、初めましてのリスナーには、斬新でその新感覚に心を奪われることになるでしょう。映画版の「七瀬ふたたび」主題歌となった09. flashback trip syndromeも同様で第2章の前の曲だと言えます。

逆に大きく変化したのが、明るくキャッチーな03. in bloom。旧知のファンにはビックリなほど爽やかなナンバー。05. ≠はファンキーなグルーブ感があり、06. areは完全なエレクトロポップに仕上がっています。先に「感性の融合」と書いたように、この作品を個々にジャンル分けすることはチープだと気付かせるほどの高次元な楽曲揃いです。

やはり説明よりも、聴いてみてもらうしかないですね。おそらく現在では時代のだいぶ先を行っているバンドだと思います。School Food Punishmentというバンド名は覚えておきましょう。

※試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/4048245

※school food punishment official website
http://www.sfp-sound.com/

さて、デッドマン繋がりですが、久しぶりにCDレビューを。こんなにかっこいいロックバンドがあったなんて知らなかった。正直「ズッパシ」好みのサウンドです。かなりヘヴィですし、苦手な人はダメかもしれませんが、私のような90年前後のメタルファンにはたまりませんね。fadeのミニアルバムでKings of Dawnです。インディーズだからかどうかわかりませんが、録音がわりと雑な荒い感じ(わざとだと思いますが。)で、そこが逆にいい!昔のリンキン・パークからミクスチャーを抜いたようなサウンドかな?ニッケル・バックよりはヘヴィーですが、案外メロディアスな面もありオススメです。

Kings of Dawn / fade
1. Born Ready
2. コズミカリズム
3. BLACK HEARTS & DOLLAR $IGN$
4. Tides of change
5. Kings of Dawn
6. Relax(extra track)

私もDWL(DWB)で初めて知ったので、詳しいことは知りませんが、キャリアのあるバンドのようです。プログレ系のイントロっぽく始まる、1 Born Readyは、疾走感のあるパワフルでヘヴィな曲。全編英詩なので、ほぼ洋楽です。2. コズミカリズムは、日本語ですが、1曲目と変わらないくらいヘヴィでラウドです。こうして続けて聴くと、英語か日本語かなどどちらでもいいと思えてしまいうくらい、彼らの音楽は完成されています。

3. BLACK HEARTS & DOLLAR $IGN$が、デッドマン・ワンダーランドのOPにフューチャーされた曲(One Reason)の原曲です。(とはいえ歌詞少し違うだけですが。)美メロな展開も見せる中盤あたりはプログレ風です。

最後の6. Relax(extra track)は、80年代のUKエレポップの名曲、Frankie Goes To HollywoodRelax (Don’t Do It)のカバーです。ヘヴィにラウドされると違う曲みたいに聴こえます。(原曲はいろいろといわく付きの曲なんですがね・・・)

とにかく素晴らしいバンドに出会えました。ぶ厚い目のギターサウンドがHM/HRばかり聴いていた若い頃を思い出させてくれる、私にはちょっと懐かしい匂いもするCDでした。

※fade Official Web Site
http://fadeonline.com/

※fade スペシャルページ(激ロック)
http://gekirock.com/special/fade/#main

※コズミカリズム / fade
http://www.youtube.com/watch?v=wpj0YlKjctM

今日はちゃんとしたレビューをします。しかも私が最も歌のうまい女性シンガーだと思う人物、日之内エミ(当時は日之内絵美)の10年前のデビューアルバムです。この作品は古い所か、最近の新人女性R&Bのアルバム作品と比べても全く遜色がないです。彼女はいわゆるm-floファミリーの一人として、ボーカル参加をした程度の記憶しかない人が多いと思いますが、TAKUは彼女のしなやかでタフな歌声とソウルフルなボーカルセンスを絶賛していました。

当時このデビューアルバムは、10年先の「2012年のR&B」をコンセプトに掲げて制作されたんですが、これを今聴いても納得の内容で、隠れた名盤と言えます。シングル曲以外の曲も素晴らしく、1曲も飛ばす曲がありません。そんな10年先取りした10年前のアルバムの中身を紹介していきましょう。

Dramatiques / 日之内絵美
01. Dramatiques Intro
02. Trap
03. hey boy...
04. You said,You did(feat.HI-D)
05. Freak!
06. let it be
07. brand new love
08. Show me What You Got
09. What’s Your Secret?(from MIC BANDITZ)
10. Crying
11. World
12. You were my everything
13. Magic
14. Painful
15. Magic CKB仕様
捨て曲がないので、全曲コメントしなくてはいけないくらいですがそうもいかないのが残念。まずは作品のオープニングを飾る、02. Trapは、重い目のビートサウンドから始まるも、サビの彼女のソウルフルでピュアなボーカルをトラックで重ねるという当時では革新的なサウンドで圧倒されます。同じく05. Freak!もパワフルなナンバー。最近の彼女からは聴けないブラックなサウンドですが、こんな風に歌える人をまだ私は知りません。(当初の宇多田ヒカルはボーカルセンスが近いけど、サウンドが「made in japan」でなかった分、オリジナリティーに欠けた。)

一方で彼女の美しい歌声はミドルナンバーで際立ちます。06. let it beはキャッチーでポップな仕上がりのそよ風のように爽やかなナンバー。チャイニーズなカウンティングで始まる07. brand new loveは台湾育ちの彼女らしいアイデア。ジャズボッサなアレンジと変則的なリズム音にスキャトで合わせるという天才的な部分が垣間見えるトラック。ワールドワイドな感性も予感させます。

今でいうセツナ系の曲は、10. Cryingと、14. Painfulでしょう。どちらもシングル曲ですが、彼女が天才的なボーカルをいかんなく発揮しているのは、14. Painfulの方。このボーカルを聴けばセツナイどころか曲名どおり、痛いくらいハートを掴まれてしまいます。(女性版号泣系?不安を抱えながら付き合っている女性にはかなりヤバイ。)

最後に私が当時虜になったのが、13. Magicでした。このPVの彼女があまりにもかわいくて・・・。ポップでキャッチーなサウンドでもチープにならない彼女のボーカルは完璧です。本当は15. Magic CKB仕様(CKBとはクレイジー・ケン・バンドのこと)よりも、シングル盤「Crying」のカップリングに収録のMagic (NY Studio Live Version)の方がすごくいいんですが・・・(ラフカットなので生歌録音に近い貴重な音源。)

正直、彼女の天性の歌声とボーカルセンスは国宝級です。そして、今年ようやく3年ぶりに自身のミニアルバムを発表しました。そんなわけで、もっと彼女のことを多くの人に知ってほしいという気持ちで、このデビューアルバムを取り上げました。時代が彼女に追いついて、2012年の歌姫として活躍されることを心から願っています。

※全曲試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1940629

※関連過去記事(日之内エミ)
http://57127.diarynote.jp/200908301714016991/

※新ブログでの過去記事(動画紹介)
http://ototabi.blog.eonet.jp/music/2011/07/post-75e1.html
http://ototabi.blog.eonet.jp/music/2010/09/post-0c1f.html
http://ototabi.blog.eonet.jp/music/2010/08/memories-3203.html
http://ototabi.blog.eonet.jp/music/2009/02/post-3cf0.html

最近、2枚組のベスト盤が出ているようですが、初期の彼らの名曲がつまった内容的にベストなCDをご紹介。1994年にリリースされた、アメリカン・ハードロック覇者、ボン・ジョヴィの10周年を記念してリリースされた、「ベスト盤以上の価値のあるベスト盤」です。94年で10周年で、今でも現役で活躍している彼らも近年のUKロックブームに不満を漏らしたりしているようですが、このアルバムを聴けば、彼らが間違いなくアメリカン・ハードロックの王者だと誰もが認めること間違いなしなので、他の悪口なんて言わずに堂々と我が道を進んで欲しいものです。

Cross Road / Bon Jovi
01.Livin’ On A Prayer
02.Keep The Faith
03.Someday I’ll Be Saturday Night
04.Always
05.Wanted Dead Or Alive
06.Lay Your Hands On Me
07.You Give Love A Bad Name
08.Bed Of Roses
09.Blaze Of Glory
10.Tokyo Road(*)
11.Bad Medicine
12.I’ll Be There For You
13.In & Out Of Love
14.Runaway
15.Never Say Goodbye

このアルバムはボン・ジョヴィというバンドのデビューから10年の軌跡の中での栄光や挫折、苦悩という全てが集約されています。今回はそういう趣旨を踏まえて自分なりの文章にしてみようと思います。まず、全体的な作品の特徴から挙げると、このベスト盤に追加の形で発表されたオリジナル新曲が2曲、今となってはあまり知られてないのですが、4thアルバムの「New Jersey」からメンバー間の確執や、88年のリリース後で700万枚のセールス達成となったこの作品を超える作品が出来るのかというプレッシャーなどから、思うような作曲ができない状態まで追い込まれていた時期が90年前後にありました。

思えば、14.Runaway(邦題:夜明けのランナウェイ)でデビューし、これがアメリカよりも日本でカバーされるものの、本国ではまだ多くのバンドの一つに過ぎなかった彼ら。そこからハッキリと頭角を現したのは、01.Livin’ On A Prayerと、07.You Give Love A Bad Name(邦題:禁じられた愛)の2曲が全米No.1ソングとなったことで、まさにアメリカンドリームが現実になります。次いで発表されたのが、先の「New Jersey」で、ここでも11.Bad Medicine12.I’ll Be There For YouがNo.1に。このアルバムでは他の曲もベスト10入りした曲が数多くありました。06.Lay Your Hands On Meはこの曲でアルバム「New Jersey」が幕を開ける構成になっていたので、ファンの中では熱狂的支持を得ていました。こうして彼らはかつてどのバンドも到達し得なかった「頂点」に到達しました。

この頃の80年代後半という時代は、今と違ってようやくCDというものが市場に出るようになってきた時代で、多くの人はLPレコードで持っている人が多かったのと、(CDプレイヤーが高かったしね。)基本的にハードロックが通常のチャートでNo.1になるというのは前例のないことでした。ボン・ジョヴィというバンドが放った「New Jersey」というアルバムは、ハードロックという音楽が、ソウルなどと同様に一般的に認知されたことを意味したので、まさに歴史を変えた作品だったと言っても過言ではないといえるでしょう。

世界王者になったボクサーがタイトルを防衛し続けることの方がはるかに難しいというように、彼らにもまさにそういう状況に陥ります。そうして向かえた90年初頭、世界中のファンの大きすぎる期待がジョンを、孤独へと追い詰めます。メンバー間の不仲で解散か?という噂が流れる中で、一人バーで酒に逃げるジョンはある日、カウンターのラジオから自分たちの曲が流れてきた瞬間、店員がチャンネルを変えたのを見て、自分の悩みが軽くなったといいます。「どんなに悩んで作品を仕上げてもたくさんの音楽の中の1曲に過ぎない・・・。」そして彼は、自分の音楽のルーツを見つめなおすようになります。

実は、この時期に書かれたと思われる曲が、渾身のロックバラード、04.Alwaysと、90年のソロとして発表した、09.Blaze Of Gloryの2曲です。どちらもド派手なサウンドだった「New Jersey」とは対照的に、汗と土の匂いがするサウンドと彼の魅力でもある壮大な楽曲になっています。こうした過程を経て、5th「Keep the Faith」を同じメンバーで再スタートを切ります。(このジャケ写こそ彼らの当時の想いを簡潔に表しています。)

そんなこんなで、今のボン・ジョヴィがあるわけです。最近はもう昔の彼らの曲を知らないまま、新作を聞いている人が多いと思うんですが、そういう人にぜひこの1枚を、いや、04.Alwaysだけでも聴いて欲しいと思います。これ以上の壮大なロック・バラードを今でも聴いたことはないですね。とりあえず試聴してみてください。(今は廉価版が出ているので購入もオススメしたいくらいです。)

※試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1427510

※Bon Jovi - Always(PV)
http://youtu.be/9BMwcO6_hyA

※懐かしいトリビア
01.Livin’ On A Prayerは、早い段階で日本のカセットテープ、「Axia」(アクシア)のCMで使用されました。日本のファンはこれがキッカケでファンになった人が多いはず。

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