もう夏真っ盛りの天気で、猛暑が続いています。部屋にいると暑い!でも節電もしないと・・・ というわけで、今日はせめて音楽で気分だけでも涼しくなってしまおうということで、ちょっと異色なカバーアルバムをご紹介です。

日本のR&Bのパイオニア的な存在のベテランソウルシンガー、birdが移籍時にさらっと出した懐かしい日本の夏の名曲をピュアソウルアレンジで発表したカバーアルバムで、MY LOVEです。アラフォー世代にはもろにストライクな選曲がツボです。

MY LOVE / bird
01. 青い珊瑚礁(松田聖子)
02. ジェットコースター・ロマンス(kinki kids)
03. ダンシング・シスター (ノーランズ)
04. セロリ(山崎まさよし)
05. Hello, My Friend(松任谷由実)
06. Point Of No Return(CHEMISTRY)
07. 青い車(スピッツ)
08. サマーヌード(真心ブラザーズ)
09. 恋とマシンガン(フリッパーズ・ギター)
10. 夏の終わりのハーモニー(井上陽水&安全地帯)

どうでしょう?この渋すぎる選曲。私にはたまりません。誰もが知っている有名な曲と、知る人ぞ知る名曲とで構成された珠玉の10曲です。これが全部あのbirdの心地よいピュアソウルで聴けるという贅沢なカバーアルバムです。あの頃の懐かしい感覚とリゾートの心地よい感覚が同時に味わえるという2倍も3倍もオイシイCDです。

いきなり聖子ちゃんの01. 青い珊瑚礁には驚きですが、サウンドはクラブビートに乗せた軽快なアレンジで、意外にも歌謡曲に聴こえないです。ドライブサウンドにも使える1曲。助手席の人は間違いなく「これ誰の歌?」ってなります。(他の全曲もそうですが。)

続く02. ジェットコースター・ロマンスも軽快なボッサアレンジによって歌謡曲に聴こえないし、04. セロリにいたってはスムースボッサで心地のよいカフェ系の音楽になっているのが不思議で、このCDの他にない魅力です。

改めて「日本の名曲」だと再確認させてくれるのが、このアルバムのもう一つの魅力です。ユーミンの05. Hello, My Friend、井上陽水&安全地帯の10. 夏の終わりのハーモニーの2曲は、まさに知る人ぞ知る名曲で、それがアコースティックアレンジで癒し系の曲として生まれ変わっています。原曲の良さを失わずに大胆なアレンジで聴かせるこの2曲はベストトラックだと思います。

1曲づつコメントしたいくらいですが、そうもいかないので個人的にオススメな曲を2曲ほど取り上げます。08. サマーヌードは知らない人も多いと思いますが、真心ブラザーズの曲で、原曲とのかけ離れ度は一番高いです。っていうかもはや彼女の曲みたくなってます。こんな風にスタイリッシュな曲になってしまうとはビックリです。ただ改めて、メロディーラインの秀悦さを再認識させられます。近年の人気ドラマ「モテキ」の挿入歌にもなりました。当時の隠れた名曲です。

最後に「数ある夏の名曲からなぜこの曲?嬉しすぎる!」といいたいくらいのスピッツの07.青い車です。スピッツは他にもたくさんの名曲がありますが、この曲はあの「ロビンソン」より前に発表の曲なので、あれほど有名になる前のスピッツの隠れすぎた名曲なんです。ここまで来るとあの90年代が蘇って泣けてきます。やさしいサウンドと彼女のボーカルでさらにやられます。アラフォー世代の涙腺を刺激すること必至ですね。

とにかく、最近はカバーブームですがいいカバーアルバムとそうでもないものとがありますが、これは自信を持ってオススメします。(しかも夏限定のカバーアルバムってあまりないと思います。)レンタルにあればぜひ一度お試しあれ!

※試聴はこちら( mora : 対応プレイヤー必要)
http://mora.jp/package/80311556/00044002947734/

※サマーヌード / bird
http://youtu.be/OXzsxr19J6s

最近は雨続きの日が多いですね。さて、今日は久しぶりにCDレビューをします。しかも、こういう雨の雰囲気によく似合う個性的な声をもつ女性アーティストです。最近の音楽トレンドのキーワードでもある「セツナ系」を代表する新世代の歌姫、YU-Aの2ndアルバムで、2 Girlsです。彼女は某オーディション番組から発掘された人で、2000年中頃にそこから女性3人組のR&Bグループ、Foxxi misQのメンバーとしてデビュー。しかし、プロデューサー側の狙いだった「和製デスティニーズ・チャイルド」の思惑は大きく外れ、早々に彼女たちは個別に活動するようになり、2010年に活動休止に。その中で最初にソロデビューをし、個性的な歌声と確かな実力によって、今、若い女性に多くの支持と共感を得ているのが、YU-A(ユア)です。

2 Girls / YU-A
01. Baby Girl
02. 忘れられない恋
03. 淡い記憶
04. 愛してた
05. 見守っていたい
06. こんな私だって
07. そばにいて、すぐ消えて。
08. あなたと
09. Bad Girl
10. CHANGE (YU-A Feat. MUNEHIRO)
11. ULALA
12. SAPPORO
13. GYPSY WOMAN
14. I believe in myself
15. Fighting Girl
16. 想い (童子-T Feat. YU-A)*
17. あなたに出会って(Miss Monday Feat. YU-A)*
18. ごめんね (INFINITY 16 welcomez YU-A)*

今回の2ndアルバムはかなり充実した内容で、彼女の個性的な声と楽曲がベストマッチしていて良盤です。前半がミドル、バラードソング、後半からアゲていくアッパーチューンを並べるという構成です。最後の3曲はボーナストラックで、彼女がコラボ参加した別名義のトラックが収録されています。

まずは前半から。イントロのピアノが印象的な02. 忘れられない恋は、YU-Aの魅力が120%生かされているセツナ系ミドル。続く、03. 淡い記憶はよりスローになりますが、同様にセツナ系全開のボーカルで心を掴まれます。

スーパーバラードの05. 見守っていたいは、このアルバムで一番の名曲。伸びやかに歌いあげるのに、湿りのある歌声によって、これまでのアーティストにはない独特の魅力があります。同じくバラードの07. そばにいて、すぐ消えて。はしっとりしたボーカルにセツナ系のメロディーが心に浸み込みます。

さて、後半はアップチューンで2人目のYU-Aが登場です。シングル曲の10. CHANGE (YU-A Feat. MUNEHIRO)からスタートなんですが・・・これすいません、ノーコメントで。11. ULALAは、ソリッドなアーバン系のキラーチューン。彼女のしなやかなボーカルにキャッチーなサウンドが絶妙のバランスです。後半では13. GYPSY WOMANが個人的にはベストトラックです。エレクトロエッセンスなアレンジのアーバンなR&Bで、新しい感性のサウンドスタイルです。15. Fighting Girlも同じで、彼女のアッパーチューンのスタンダードとなりそうな曲です。

ボーナストラック分は省略します。総じて、今回のアルバムはかなり聴けます。近年の同系統のアーティストが出した作品の中でも、名盤といえるんじゃないかな。これほどの実力があるなら、最初からソロの方がよかったように思います。(元Foxxi misQというのが足枷になっているように思います。)あと、彼女の場合、俗にいう「セツナ系」と呼んでしまうのはチープ過ぎると思います。(先にそう書いておいて言うのもなんですけど。)とにかく、雨がよく似合うこのアルバム、この季節にぜひオススメの一枚です。

※YU-A Official Web Site
http://www.yu-a.fm/

※全曲試聴はこちら
http://morawin.jp/package/60000004/PX1200054536/

※YU-A PV集(short.Ver)
○忘れられない恋
http://youtu.be/GjUePTTOY2U
○見守っていたい
http://youtu.be/OqI27OhW59c
○そばにいて、すぐ消えて。
http://youtu.be/YsLwfRmg-4k

ようやく今ぐらいの時期の「天気晴れ」の日にぜひともオススメしたいのが、このカレイドスコーピオ(現在はカレイドに改名)のデビューアルバム、テン・キ・ヴァレールです。6年くらい前に、イタリア3大カフェボッサレーベルの一つ、イルマ(IRMA)から突然現れた2人組です。このブラジリアン・ドラムンベースのサウンド技術はDJ界を震撼させるほどのものでした。国内で彼らのCDを発売する権利を得ているのは、CAFE aperitivoシリーズのコンセプトアルバムでおなじみのaperitivo Recordsです。

Tem Que Valer / Kaleidoscorpio
01.Tem Que Valer(TV ver.)
02.Meu Sonho(Star Guitar remix)
03.Madalena
04.Tudo Passa
05.Voce Me Apareceu
06.Lua
07.Chega Mais Perto
08.To Que To
09.Frevo Mulher
10.Meu Sonho
11.Tarde En Itapo
12.Feliz De Novo
13.Tem Que Valer (STUDIO APARTMENT remix)
14.Madalena(RE:SAMBA KTa★brasil e KAZ)
15.Tem Que Valer feat. i-dep with g-ton (nobodyknows+)

数年前はTVのBGMとしてめっちゃかかっていました。特に「グータンヌーボ」(江角マキコ・優香・内田恭子の3人の頃)でオシャレな店へ向かう女性芸能人が映るシーンで多用されてましたね。(03.Madalenaでした。)だから上記で色つきの曲なんか絶対どっかで耳にしているはず。(もちろんBGM的にですが。)

それはさておき、このサウンドは当時ではすっごく斬新でしたね。以前からもここではカフェボッサのトレンドとしてはイタリアのラウンジ系にブラジリアンテイストなのがものすごく受けていたわけですが、ここにさらに昔のユーロビートのようなリズムにハウス系のアレンジで、(特に02.Meu Sonho(Star Guitar remix)は今でも最先端の音楽といえるほど。6年経った今でもね。)01.Tem Que Valerはここに収録以外にも、いろんなRemix Ver.が存在します。

まぁ、難しいことは考えずこのサウンドを体感してください。(そうまさに彼らのサウンドは「体感」という言葉がふさわしいと思います。)気がついたら体が動いていることに気がつくでしょう。(笑)

※IRMA records Artist page(KALEIDO)
http://www.irmagroup.jp/artist/kaleido/index.html

※全曲試聴サイト(海外盤:曲順など微妙に異なります。)
http://www.internetbookshop.it/cd/ser/serdsp.asp?e=0261980119001

※ちょっとしたトリビア:実は「テンキ・ヴァレール」は本当に「天気晴れ」とかけているらしい。aperitivo recordsがね。)

※"Voce Me Apereceu" 2005 Version(PV)
http://youtu.be/7yTyyPpb7b8


最近、やたら聴いているのがこのCD。今、彼女が活動中だったらどんな曲を作るのだろう?などと考えながらも、このアルバムが今の自分に妙にしっくりきています。絢香の2ndアルバムでSing to the Skyです。月並みな言い方かもしれないけど、「元気が出る音楽」がたくさん詰まっているように思います。ほとんどの人が聴いているだろうけど、まだ聴いてない人はもちろん、手元にあるけど最近聴いてないという人にもぜひ改めて聴いて欲しいので、レビューします。

Sing to the Sky / 絢香
01. POWER OF MUSIC
02. 愛を歌おう
03. SKY
04. Jewelry day
05. グンナイベイビー
06. For today
07. Why
08. ゴールドスター
09. 魔法使いのしわざ
10. 手をつなごう
11. 愛も嘘も真実
12. CLAP&LOVE
13. 君がいるから
14. おかえり
15. 今夜も星に抱かれて・・・
16. WINDING ROAD(Bonus Track)

急激なブレイクをしたアーティストの作品は、年月が過ぎるとそうでもないように感じることもありますが、彼女の作品は決して色褪せない普遍的で人間的な魅力があるように思います。いつまでも変わらない音楽。それはまさに「空」の風景に似ています。この作品「Sing to the Sky」にはそんな彼女の想いが込められているように思います。(ほとんどの曲に「空」というキーワードが入っています。)

01. POWER OF MUSICは幕開けにふさわしい力強いナンバー。彼女の力強くてやさしいボーカルとキャッチーなサウンドが勇気をくれるタイトルどおりの曲です。02. 愛を歌おうもアップテンポな曲で元気になれます。今回のアルバムコンセプトに近い03. SKYは、サビの部分での空まで届きそうな突き抜けるボーカルが印象的。歌詞もシンプルでストレートに心に響きます。

06. For todayは聴けば当時を思い出す、グリコポッキーのCM曲で話題となったロックチューンのナンバー。普段以上にパワフルなボーカルで魅了してくれます。コブクロとの共作でボーナストラックの16. WINDING ROADでも2人に負けない圧倒的な存在感のボーカルで歌い上げています。

パワフルなだけが彼女の魅力ではありません。繊細でやさしく包み込むようなボーカル表現も魅力です。10. 手をつなごうのミドルソングや、美しいピアノの旋律に寄り添うように歌う、15. 今夜も星に抱かれて・・・のバラードでじっくり聴くことができます。

どの曲もそれぞれに素晴らしい名盤だと思います。個人的には仕事帰りのBGMのプレイリストには14. おかえりを必ず入れて聴いています。(少し疲れがとれる気がします。)あと、15. 今夜も星に抱かれて・・・はヘビロテでした。今後もずっと記憶に残るスーパーバラードです。

次々と新しい音楽が生まれてきますが、昔のCDを改めて聴いてみるのもいいもんです。そして、また彼女の音楽が聴ける日が来ると信じています。

※試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2725700

さて、今年最初のレビューということで、個人的にイチオシの3ピースバンド、Half-Lifeの2ndアルバムをピックアップです。昨年は同郷のチャットモンチーとの対バンなどを含めて、精力的にライブ活動を行っていました。そんな中でもこれだけ完成度の高いアルバムが出せるということは、既に彼らにはたくさんのオリジナル曲があるということだと思います。前作は圧倒的な演奏技術に裏打ちされたスピード感のあるサウンドが多かったですが、今作は歌詞をよく味わいながらじっくり聴ける深みのあるアルバムになっています。

table / Half-Life
01. 新呼吸
02. city talk
03. discord
04. effectology
05. 凸と凹
06. ホタル
07. Boy&Girl
08. J-POP
09. noah
10. サナギソウ
11. WORLD MAKER

今作で、彼らの音楽の方向性や世界観はハッキリしたように思います。現代の表現しにくい個人の感情が「空虚さ」や「儚さ」の中でうまく中間色に表現されています。3ピースバンド特有のシンプルなサウンドをうまく生かしているので、楽曲の良さが際立っています。柔らかく温かみを持った控えめな音作りも前作と違う所です。

まずは、EPでの先行シングルとしての02. city talkは、これまで同様の疾走感あふれるスピードナンバー。スリリングな展開の楽曲構成と、デジタル的なキーワードが印象的です。同じく04. effectologyは今作で最速のナンバーで、軽快なギターに変則的なリズム体が絡み合う、彼らお得意の見事なサウンドです。

前作にはなかった、じっくりじんわりとくるミドルテンポな曲が、08. J-POPです。これは人気ドラマ「モテキ」のエンディングテーマとなり、少し話題になった曲です。彼らの名前を知っているとしたら、この曲からという人が多いと思いますが、この曲のPVがイマイチな感じだったのが私には残念でした。(曲自体はすごくいいのに。)さらにオススメなのが、05. 凸と凹で、前作にはなかったやさしいミドルサウンド。歌詞の世界観も先に述べた中間色な感覚がよく出ている名曲です。

最後に私の個人的なベストトラックは、09. noahです。変幻自在のサウンドにさらに磨きがかかった感じで、圧巻の演奏を披露しています。3人でここまでプログレッシブなロックサウンドを展開できるバンドは、日本ではいないと思います。(英詩で歌うバンドはいるけど。)

好きなアーティストのレビューは長くなってしまいます。ただ、このバンドは只者ではないです。最近の3ピースバンドでは今、最強なのではないでしょうか?言葉(歌詞)音(音楽)どちらの感性も唯一のオリジナリティーに溢れています。ぜひ彼らのサウンドに一度触れてみてください。

※全曲試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3904563

※city talk (PVフル)
http://www.youtube.com/watch?v=HvJ7dB46fFQ

※J-POP(PVフル):ドラマ24「モテキ」エンディング・テーマ
http://www.youtube.com/watch?v=CivJdVbT05w

※関連過去記事
http://57127.diarynote.jp/201008290248204347/
すっかり寒くなってしまいました。長過ぎる夏から、いっきに冬に向かうようです。私は秋が好きな季節なんですが、今年は「秋らしさ」をあまり感じる暇もなさそうです。さて、今日は秋冬になると必ずこの人の歌声が聴きたくなります。このブログでは以前から取り上げている女性シンガーソングライター、柴田淳の最新作(とはいえもう1年前になりますが。)ゴーストライターをレビューしたいと思います。

ゴーストライター / 柴田淳
01. 救世主
02. 透明光速で会いに行く
03. Love Letter
04. うちうのほうそく
05. 蝶
06. 雫 ~instrumental~
07. 雨
08. 宿り木
09. 君にしかわからない歌
10. 幸福な人生

通算で7枚目となるアルバムです。前作がシンプルな構成で「歌声」を前面に出したことにより重量感のある作品となったのに対して、今作は全体的にバランスのとれた聴きやすい作品になっていると思います。

オープニングを飾る、01. 救世主が、これまでの継承路線のダークな曲だったので、深みのあるアルバムになっているかと思えば、02. 透明光速で会いに行くで、作品の雰囲気は一変して、明るくキャッチーなサウンドで、彼女の違った表情をみるようです。同じく09. 君にしかわからない歌など、これまでのダークなイメージの曲とは対照的な爽やかな曲が収録されていることは、今作の特徴といえると思います。

ただ、やはり柴田淳はバラードが素晴らしい。これは不変です。今作でもシングル曲の03. Love Letterは、彼女の歌の素晴らしさが際立つバラード。「死」などという単語が歌詞に出てくるのに何故か安らぎを覚える癒し系の名曲です。雨の日に聴きたい07. 雨も、これぞ柴田淳といえるスローバラードで、継承路線ではあるものの、卓越した表現力の歌声はやさしい雨のように心に染み込んできます。

これだけの素晴らしい歌が歌える彼女ですが、この作品を発表するまでにはかなりの「スランプ状態」であったそうです。最後の曲、10. 幸福な人生は歌詞もふまえて、彼女の心の叫びのようにも聞こえます。

秋冬にはピッタリのアルバムだと思います。また「柴田淳=暗い曲」というイメージを持っている人には、このアルバムをオススメします。

※試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3661227

※関連過去記事(しばりんく)
http://diarynote.jp/d/57127/20090118.html
http://diarynote.jp/d/57127/20070401.html
http://diarynote.jp/d/57127/20070101.html
http://diarynote.jp/d/57127/20050925.html
http://diarynote.jp/d/57127/20050503.html
今日は久しぶりに店頭の試聴機で珍しく最後までフルで聴いた曲を簡単にご紹介したいと思います。このジャケ写からは想像つかないくらいのむさくるしい感じ(し、失礼!)の新人男性アーティスト、TEEのデビュー2ndシングルです。広島県出身の彼は、独特のパフォーマンスと案外甘いハスキーボイスの持ち主です。サウンドは主にクラブ系レゲエ。ヒップホップ風のMCを中心に構成する表現スタイルです。ここ最近のJ-POPS気味なジャパレゲエという感じです。

ベイビー・アイラブユー / TEE
1. ベイビー・アイラブユー
2. ファイター
3. がんばれよ

ただ、今回のバラードソング、1. ベイビー・アイラブユーは、これまでのTeeのいい意味で粗雑なイメージを一掃し、繊細でかつストレートなボーカルを見せています。既にこの曲は最近流行りの「セツナ系」の名曲として、かなり話題となっています。(CDTVの10月のエンディングテーマ曲でした。)ここで彼の名前を知った人も多いでしょう。(私も実際はそんな感じ。)

そんな彼が、夏を待ちきれずにデビューアルバムを冬前にリリースします。「なんでやねん?」と思ったものの、このシングル3曲を聴くと、夏用のアーティストという狭い枠に収まるような人物ではないことが伺えます。うまく言えませんが、彼はヒップホップとかジャパレゲとかジャンルの上の方で表現したいものをちゃんと持っているような気がします。それがまだハッキリと形になっていない不安定なまま作品にしてしまう「不器用さ」に魅力を感じます。

この人は案外、数年後には大物になっているような気がします。どっかの国で大人気になるとか?ワールドワイドな器かもしれません。(日本より海外の方が向いている気がします。)

男性ピンでのアーティストが不毛な今、今後の活躍が期待されるアーティストだと思います。

※TEE Official Web Site
http://www.tee-web.jp/top/

※TEE / ベイビー・アイラブユー(Short ver.)
http://www.youtube.com/watch?v=sjj0Ga5jMrE


追記:このジャケ写とPVの女性は、モデルの矢野未希子さんです。
  
○矢野未希子・オフィシャルホームページ「natural」
http://www.ftwo.co.jp/yano/
今日は、久しぶりにCDレビューです。私が今、好きな実力派の女性ボーカリストの1人、mary(マリー)の2ndアルバムで、Difineを取り上げます。はっきりいって自信を持ってオススメできるCDです。彼女は、透明感のある歌声で、パワフルでかつ繊細な表現のボーカルが魅力の女性です。デビュー前にスタジオワークを重ねるうちに、まだ有名ではなかったDJ MAKAIと出会い、彼のアルバムのゲストボーカルにフューチャーされたことがきっかけでデビューします。所属レーベルはクラブ系で活躍するi-dep、cargo、Sotte Bosseなどを輩出している、AZ tribe(RAINBOW ENTERTAINMENT)で、彼女もレーベル期待の女性アーティストとして、今後の活躍が予想される存在です。

Define / Mary
1. Blooming
2. Life Is...
3. Shiny Day / Sound Produced by 野崎良太(JAZZTRONIK)
4. Have You Never Been Mellow
5. The Beautiful In Life
6. Sleepless Night
7. Release The Silence
8. I Can Feel It
9. Heaven In The Sky (Acoustic ver.)

今作は、生音を意識したサウンドが特徴で、前作のようなエレクトロな雰囲気は控えめになっています。それでも、彼女の突き抜けるような歌声による躍動感はそのままで、アップテンポな曲も心地よく聴けます。そういう意味では歌声もサウンドも少し大人になったような印象です。

アルバムの幕開けを飾る1. Bloomingから3. Shiny Dayまで、躍動感と疾走感の溢れるアッパーチューンが連続する息もつかせぬ展開。それなのに聴いていて疲れるどころか、逆に心地よいのは、彼女のボーカルセンスによる所が大きいと思います。特に、8. I Can Feel Itは彼女の魅力がよく出ているキラーチューンだと思います。

前作にも洋楽のカバー曲が収録されていましたが、今回はなんと不朽の名曲、オリビア・ニュートン・ジョンの「そよ風の誘惑」(4. Have You Never Been Mellow)を、ラウンジボッサ風味の大胆なアレンジで歌っています。原曲とはさすがにイメージは離れますが、エバーグリーンな雰囲気は似ていて、彼女の違った一面を垣間見るようなカバーソングになっています。

さて、最後に私の選ぶベストトラックは、6. Sleepless Nightです。これは収録曲の中で最もバンド演奏に近いサウンドになっていて、上質なクロスオーバーとして聴けます。中盤でサックスを挿入するあたりなどは、アシッド・ジャズのエッセンスも隠し味となっています。ここでの彼女のボーカルはとても繊細で、今までにないほどの豊かな表現力を発揮しています。こういうスムースな曲も歌えるのは本当に実力のある証拠だと思います。

彼女の出世曲ともいえる、9. Heaven In The Skyは、アコースティックバージョンで収録。スローボッサのアレンジで生音ギターが心地いいです。同じ曲とは思えない、彼女の包み込むようなボーカルに癒されながら幕が降ります。

天気のいい日に持ち出したり、夜のドライブミュージックにも最適だと思います。とにかく歌がうまい。ストレートでピュアな声が魅力です。レンタルにもありますので、ぜひ聴いてみてください。オススメの名盤です。

※Mary Official MySpace(試聴可)
http://www.myspace.com/maryofficial

※Mary 特集記事(BARKS)
http://www.barks.jp/news/?id=1000049999
あら?この名盤がアマゾンのジャケ写にあったよ〜(感涙)でも廃盤なんじゃなかったかな?誰かが出品してるのか?(それはもたいない!)でもその人がジャケ写載せてくれたんだったら多謝。ここの所、クラシック路線できましたが、今日は最強にオシャレなキーボード(ピアノ)奏者のキム・ペンシルのアルバムで、この三連休にふさわしい?タイトルはスリー・デイ・ウィークエンドです。もうこれは究極のオシャレなインストゥルメンタルだと思います。ジャケ写のイメージどおりです。(これ裏面は本人が写ってて、そこだけがイメージと違ったり・・・ってキムさんすんません!)

3 Day Weekend / KIM PENSYL
01.3 Day Weekend
02.ECHO OF ANOTEHER TIME
03.A NEW MORNING
04.SWEET SPOT
05.LAZY SUNSET
06.ISLAND POSTCARD
07.TAKE A LITTLE CHANCE
08.THINK OF YOU
09.J.J.’S ADVENTURE
10.GRANDPA’S GARDEN

うーん、レーベルがユニバーサルクラシックになってるなぁ。私の所有してるのはビクターだから再販してる?だったらこれは買って損はないですよ。なんせ、大手FM局(って関西ですけど。)がみんなBGMとして、こぞって使用していたくらいのオシャレインストですから。当時の彼は基本的にはキーボード奏者ということでしたが、ここにも収録されていますが、水流のような旋律を奏でるピアニストでもあります。90年代とは思えない先進的で洗練された音楽ばかりです。細かくチェックしていくと・・・

今回のアルバム全体の作品イメージとしての代表曲といえる、01.3 Day Weekendは軽快なサウンドリズム(打ち込み)に乗って軽やかな音色を弾くように弾いています。抑揚のある展開も素敵です。究極のオシャレピアノで流水のような演奏が堪能できる03.A NEW MORNINGは、転調を多用しているのに驚くほど滑らかな旋律になっています。しかもここはピアノでの演奏ですから、この人は只者ではないです。(天才?)

04.SWEET SPOTは再び軽快なポップサウンドですが、少し控えめな音で爽快感を出しています。余談ですが、この曲とミドルテンポの05.LAZY SUNSET、キャッチーな07.TAKE A LITTLE CHANCEあたりは大手FM放送の「交通情報」とか「天気予報」とかのBGMにされてましたね。そんな使い方って贅沢すぎ!30秒くらいしか聴けないし、声の方がメインだし。(でもある意味最もヘビーローテーションだった?:苦笑)

誰も知らない隠れた名曲ってこういうのじゃないのかなって思うのは、08.THINK OF YOUのピアノバラード。曲の美しさはもちろんですけど、なんでこんなに包み込むようなやさしさを演奏技術だけで表現できるんだろう?って思うほど、彼の奏でるささやくような旋律は天性のものかもしれませんね。この音こそ絶妙だと思います。

このアルバム以降、知る人ぞ知る存在となった人で、何枚かのアルバムを出していますが、打ち込みを使ってのフュージョン系な部分を削ってシンプルになっています。全体の音がシンプルだと彼の巧みな演奏がちょっちわかりにくくなるので、最初にこのアルバムをオススメしたいですね。昔のカシオペアとか好きな人はハマルと思います。(バンドじゃないけどね。)

※試聴はこちら
http://www.vervemusicgroup.com/artist/music/detail.aspx?pid=11647&aid=7077
今回の表題は、ドリフ大爆笑の「もしも〜シリーズ」風で書いてみました。昭和世代でないとわからんがな!(いかりやちょう〜さんか!q(^^))でも、最近のカバーソングブームはなかなか見逃せないものがあります。ただ質より量が先行している感じもする中で、今日は良質なカフェボッサでどこかで聴いたことのある洋楽を見事にカバーしているコンピレーションアルバムをご紹介です。一部の曲は既にCMなどでもよく使われていたので耳にした方も多いかも知れませんが、どのCDが知らない人のために記事にしてみました。

BOSSA a.m. / GREETINGS
01.バッド・デイ (Original; ダニエル・パウター)
02.サンデイ・モーニング (Original; マルーン5)
03.プット・ユア・レコーズ・オン (Original; コリーヌ・ベイリー・レイ)
04.ドント・ストップ・ミー・ナウ (Original; クイーン)
05.ハングリー・ライク・ザ・ウルフ (Original; デュラン・デュラン)
06.クローズ・マイ・アイズ (Original; ベイビーフェイス)
07.ドント・ルック・バック・イン・アンガー (Original; オアシス)
08.シリー・ラヴ・ソングス (Original; ウイングス)
09.イフ・アイ・エイント・ガット・ユー (Original; アリシア・キーズ)
10.ヴァーチャル・インサニティ (Original; ジャミロクワイ)
11.恋はあせらず (Original; ダイアナ・ロス&ザ・スプリームス)
12.愛はどこへ行ったの (Original; ダイアナ・ロス&ザ・スプリームス)
13.キープ・ミー・ハンギン・オン (Original; ダイアナ・ロス&ザ・スプリームス)
14.ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー (Original; U2)
15.ウィアー・オール・アローン (Original; ボズ・スキャッグス)

オリジナルの解説は最後に紹介するリンクに詳しくありますので、私はアレンジされた各トラックの印象などを書いてみたいと思います。やっぱり原曲との相性でバッチリはまってるのは、Maroon5の02.サンデイ・モーニング でしょうか?原曲もこっちもダブルでCMに使用されるなんて過去に例がなかったんじゃないかな?ある意味ボッサにしやすかった部分もあるでしょうね。

昔のスーパードライのCMでお馴染みだったQUEENの04.ドント・ストップ・ミー・ナウはその逆で、この曲がなんでハードロックがこんな癒し系に?って思うくらいの絶妙なアレンジ。また、これを歌うボーカルの人はかなりの手練れなんじゃないかな?少しかすれ気味の声なのにしなやかな歌い方はかなり印象に残りました。この人の名前は覚えておいた方がいいかも?

あとは、11.恋はあせらずなんですが、確かに原曲はダイアナ・ロス&ザ・スプリームスですが、むしろ80’sのフィル・コリンズのポップアレンジで大ヒットした曲です。また、08.シリー・ラヴ・ソングスも確かにクレジットではウイングスということになりますが、実質的にはポール・マッカートニーの作品で、本人名義のベスト盤にもちゃんと収録されている名曲です。(権利面では迷曲といえるのかもね・・・)

最後にこれは多くのアーティスト参加型のコンピレーションアルバムで、オムニバスとは違うということ。コンセプトも他のコンピよりハッキリしてるので、かなり丁寧に作られたCDだと思います。60年代〜昨年までのカバーというのも画期的。(アリシア、コリーヌ・ベイリーまであるし。)さっき試聴ページ見ながら思ったんだけど、これを着うたにするのはかなりオシャレかもね。(私なら、Track02.04.あたりがいいな。)

※「BOSSA a.m.」Special Page
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/bossaam/

※試聴はこちら
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&ima=0330&cd=SICP000001436

晴れの日と雨の日が交互にやってくる今年の梅雨です。今日は一日中雨でした。近くに買い物に行くにも車で出ることになります。いつものドライブ用ミュージックというわけにもいかず、選曲したのがこのCD。最近、男性ソロのR&Bシンガーの活躍が低迷しているように思います。そんな中で近年、実力派の新人男性アーティストとして注目されているSWEEPのデビューアルバム、I’m Readyです。アダルトで質の高いR&Bを聴かせる意欲作でオススメです。

I’m Ready / SWEEP
01. Gonna make U say
02. Sighful Snow
03. Jump around
04. Lately
05. Good music,Good vibration -feat.A Hundred Birds
06. Good day to you
07. Call my name
08. Distance
09. Walkin’ in the rain
10. Once in a life time
11. Condition of love
12. Interlude ~I’m back
13. I’m READY -feat.T.S.K
14. (エンハンスド)Jump around (special ver.PV)

新人といっても、キャリアは十分で実力を十分に蓄えてようやく発表したフルアルバムなので、デビュー作にしてベテランの歌いっぷり。平井堅ほど大人でなく、清水翔太ほど若過ぎないという感じです。流れるようなボーカルに織り交ぜるファルセットも自然で、自由自在に操る高度なボーカルが全体にスムースな作風になっていると思います。

01. Gonna make U sayは、オープニングを飾るに相応しい、ぞくぞくするようなグルーブ感のあるナンバー。人気音楽番組のタイアップとなった、03. Jump aroundは、彼のキャリアでは異色なテクノ系R&B。ほぼ全編ファルセットなのが逆にうまさが伝わらないと思います。(タイアップには相応しくなかったような気が・・・)

逆に彼の実力が十分に発揮されているのが、アッパーチューンの09. Walkin’ in the rain。この曲で雨の日でもノリノリです。続く、10. Once in a life timeは個人的にベストトラックです。甘いグルーブとスムースなボーカルのユニゾンが絶妙です。さらにミドルバラードの11. Condition of loveは、彼の歌のうまさを極上バラードで堪能できる名曲。アーバンなサウンドに丁寧なボーカルが胸に響きます。

最後にスティービー・ワンダーの名曲、04. Latelyのカバーを聴くとよくわかります。彼は抜群に歌がうまいのですが、押し付けがましい所がなく、さりげないという表現にもあたらない、抜群の存在感を持つ、数少ないR&Bシンガーだと思います。レンタルも出来ますし、ぜひ一度聴いてみてください。

※試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3625760

※SWEEP Official Web Site
http://www.sweep-web.net/

※Sweep / Walkin’ in the rain PV
http://www.youtube.com/watch?v=I7AznpOxq2M

※こちらも参考に。
http://ototabi.blog.eonet.jp/music/2009/08/post-cfbb.html

今日は昨年に買ったCDの中で個人的にベストだったものを、最近の音楽トレンドをふまえつつ、ご紹介したいと思います。2000年から、大人のお洒落なサウンドとしてカテゴライズされたいわゆる「(テクノ)ラウンジ系」と称される音楽は、クラブを通じて、ジャズとの融合に始まりました。後にラウンジ系の最先端発信地となったイタリアでは、ボサノヴァと融合し、ラテン語による歌詞でのブラジリアンフレイバーなサウンドが流行しました。(イタリア3大レーベル、イルマ・スキマ・シナリオの時代です。)

そして、2010年となった今現在で、注目されているのが、「ヒップ・ホップ」のサウンドです。ヒップ・ホップについては、本来は最も自由度の高い音楽性(精神性)を持つジャンルですが、現実的には異なる解釈などにより抗争までおきるという、ある種の閉鎖性を兼ね添えているのが現状となっています。

そんな中で、多国籍なメンバーによる生バンドでの演奏をするヒップホップ集団が昨年に発表したアルバムは、おそらく現時点で最先端の「ラウンジ系ヒップホップ」とも呼べる作品になりました。そんな彼らのバンド名は、クラウン・シティ・ロッカーズ(CROWN CITY ROCKERS)。約5年ぶりのアルバムとなるザ・デイ・アフター・フォーエヴァー(THE DAY AFTER FOREVER)をピックアップです。

THE DAY AFTER FOREVER / CROWN CITY ROCKERS
01. Intro
02. Break
03. Soul
04. Kiss feat.SILYA
05. Go On feat.AIMA
06. Astroshocks
07. Go Away
08. Cruisin’ feat.DESTANI WOLF
09. Let’s Love
10. Clap Your Hands feat. AIMA
11. Make It Hotter
12. That’s Life Feat. JASON JASPER
13. Forever Song
14. FAIRY TALE*(日本盤のみ収録)

この手のアーバンでお洒落なヒップホップは大手のCDショップでは、ラウンジコーナーにありながらも「メロウ・ヒップホップ」と呼ばれています。彼らの新作もこうした流れを組んではいますが、「生演奏」というこだわりは、他とは違う点です。早速、中身について触れていきます。

極上のメロウ・トーンで心地のよいヒップホップを聞かせる、03. Soulは最強のトラックです。これが今の最先端といえるサウンドといっても過言ではないでしょう。アウトロの演出もヤバイくらいのかっこよさです。続く、04. Kiss feat.SILYAもスムースでキャッチーなサウンドに美しい女性ボーカルが花を添えます。かなりメロウな雰囲気になっています。さらに、05. Go On feat.AIMAもキャッチーですが、こちらはクールなラップで決めています。

後半からはヒップホップ基調のクールなサウンドが並びます。07. Go Away、同じく08.
Cruisin’ feat.DESTANI WOLF
あたりは、前半から一転してブラック色が出ています。それでも彼らのサウンドのクールさが「世界標準」なのは多国籍ユニットの成せる技かもしれません。

もう書き出すとキリがない傑作揃いの名盤なのですが、個人的なベストトラックを挙げると、先の03. Soulは別格として、12. That’s Life Feat. JASON JASPERです。生バンドの演奏にエレピをあしらい、フロウしていくメロウなラップに区切りを付けるような男性ゲストボーカルがセクシーでも力強い。それぞれの異質なものが完璧に調和しています。これはもうジャンルという概念を超えています。

去年から未だによく聴いています。メロウ・トーンのオムニバスよりは作品として完成されているので、絶対にオススメです。あと、日本盤でなくてもいいと思います。(ボーナストラックは少し音が違うところから、いつかのデモを起こしたものかも?悪くはないですが、なくても十分だと思います。

※全曲試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3608971

※これぞ次世代メロウ・ヒップホップの名曲「soul」(公式全曲フル)
http://www.youtube.com/watch?v=Vl0-Rb6IO6A

※"Break" (公式フル:こんなパフォーマンス集団です。)
http://www.youtube.com/watch?v=jxepxKh6jB4

※CROWN CITY ROCKERS MySpace
http://www.myspace.com/crowncity

※参考記事(HMV特集)
http://www.hmv.co.jp/news/article/909250119/
 

クロスオーバー界の最先端を行く、ハイセンスで繊細なサウンドが魅力のDJ KAWASAKIがメジャーで2008年に発表した2ndアルバム、YOU CAN MAKE ITです。(ジャケット写真は異なります。)近年ではクラブ・ハウス界では、新鋭クリエイターの台頭が目立ちますが、この人の当時のカリスマぶりは別格で、実質的なデビューはニューヨークの名門ハウス・レーベルのKing Street Soundsから。海外のテクノシーンにおいて、一目置かれる存在で、彼の刻むアッパーでかつ変則的リズムは賞賛を込めてカワサキ・ビートと称されます。余談ですが、これまでのジャケ写に起用されていたモデルの藤井リナが作品でコラボしたというのも当時は話題となりました。

YOU CAN MAKE IT / DJ KAWASAKI
01. INTRODUCTION
02. YOU CAN MAKE IT feat.TASITAD’MOUR
03. BECAUSE OF YOU feat.HEATHERJOHNSON(albummix)
04. ELEVATE YOUR MIND feat.TASITAD’MOUR
05. PLANETALY TRACK
06. SO FAR AWAY
07. IT MAKES ME FEEL DANCIN’ feat CAROLYN HARDING
08. BELIEVE feat. GORDON CHAMBERS
09. COSIMC LULABY
10. BRIGHT LIKE LIGHT feat.LENAFUJII(album mix)
11. MELODY feat.KARIN

今作でリードトラックとなった、タイトル曲の02. YOU CAN MAKE ITは、これぞ彼の真骨頂とも言えるスタイリッシュでかつクールなアッパーチューン。これだけ変則的なリズムに余裕のボーカルで魅せるのは、UKハウス界屈指のボーカリスト、TASITA D’MOUR(タシータ・ドムール)。トラックは自らがプレイしているとのことです。

クロスオーバーの巧みさとソフィスティケイトなサウンドが味わえるのが、07. IT MAKES ME FEEL DANCIN’。ソウルフルなボーカルにエレガントな美メロが重なる名曲。08. BELIEVEはホーンセクションを取り入れた、彼らしいサウンドです。なんとこのアダルトな男性ボーカルが、大物R&Bアーティスト(アッシャー、ビヨンセ等)を手がけるサウンドプロデューサーのGORDON CHAMBERS(ゴードン・チェンバース)というのは驚きです。

最後に10. BRIGHT LIKE LIGHTは、後にアルバムも出すことになる、カリスマモデルの藤井リナとのコラボです。確か初回特典でこのPVが付いていたのですが、男性釘付けのセクシーショット満載で、いろんな意味で大変なことに・・・(苦笑)ファッションセンスと音楽センスで通じる部分があったのかもしれません。

全体的にはこれ以上ないくらいハイセンスな音楽です。ボーカルなしのトラックに違和感のある人もいるかも知れませんが、逆に調和をもたらしているように思います。(ただ少し曲が長いのが難かも?)世界標準のサウンドをぜひ体感してみてください。

※試聴はこちら(なんかメッセージが出たら「いいえ」で。)
https://listen.jp/store/musictopics_1748_1.htm

※YOU CAN MAKE IT feat.TASITAD’MOUR(PV)
http://www.youtube.com/watch?v=Yo9RMKT8mr4

※BRIGHT LIKE LIGHT feat.LENA FUJII
http://www.youtube.com/watch?v=tsRL51a9dmo

約2年ぶりとなるayuse kozueの2ndアルバムです。自身の音楽をR&B(リズム&ビューティー)と称して、独特のサウンドクリエイトを展開中の彼女。特に若い世代の女性のライフスタイルに近い感性が多くの支持を集めて、もはや音楽も含めたファッション・リーダーといった存在です。今回のアルバムは前作に比べて、彼女の思い描いてきた音楽スタイルがより明確になった意欲作だと思います。また最近よく言われる「D.I.Y」(Do It Yourself:作詞、作曲、パフォーマンス、ビジュアル・ファッションなど全て自分でこなすこと)を実践する日本では数少ないマルチな才能を持つアーティストでもあります。
Simply Good / AYUSE KOZUE
01. close to you~ずっとそばで~
02. ヤミツキ
03. あのねのね
04. トオリアメ
05. バンビのしっぽ
06. Un-controllable~いつでも君だけ~
07. こよいキミに恋をして
08. KISS KISS KISS
09. LUV CRUISIN’
10. ONE
11. How Beautiful
12. Don’t let you down

先にシングル曲から見ていくと、彼女にとって初の本格バラードとなった10. ONEは、印象的なピアノの旋律に導かれてフロウするテンポが心地よいナンバー。この曲は今までの彼女のイメージを変えた1曲でした。ちなみにこのピアノはあの坂本龍一のアレンジによるものです。一転してアッパーなダンスチューンの07. こよいキミに恋をしてはAYUSEテイストのディスコナンバーに仕上がっています。途中のMCはTERIYAKI BOYZで有名となったラッパーWISEです。今回のリードシングル、12. Don’t let you downは、キャッチーでクールなナンバー。当初からのシングル曲で彼女をサポートしてきた天才クリエイター、GIORGIO 13(So Fly)のアレンジです。

アルバム曲での注目曲は、これぞAYUSEワールドという03. あのねのね。女の子らしいキュートなサウンドとボーカルが魅力的です。ミドル・スローの05. バンビのしっぽは少し大人の雰囲気のサウンドにユニークな歌詞ですが、よく聴くと切ない曲に仕上げています。

最後に私のイチオシなトラックは、08. KISS KISS KISSです。ハートウオーミングなサウンドに、ウィスパーボイスが最高にやさしく心に染み渡る心地よい1曲です。

彼女の個性を繋げる手段としての音楽という発想は、このアルバムでかなり形になっていると思います。常に表現者であり続ける彼女の今後の活躍にも注目していきたいです。

※試聴はこちら(mora win)
http://morawin.jp/package/60000013/TFCC86317/

※AYUSE KOZUE MySpace
http://www.myspace.com/ayusekozue

※こよいキミに恋をして(PVフル)
http://www.youtube.com/watch?v=zKLFm_l6fNM

※Don’t let you down(PVフル)
http://www.youtube.com/watch?v=7bQNydSyIts

このブログではデビュー当初から取り上げて応援してきた、女性アーティスト植村花菜の最新ミニアルバムで、わたしのかけらたちです。このアルバムの最後に収録されているトイレの神様が、大変な話題となっています。この曲は1曲が約10分間という日本では異例の曲で、しかも歌詞の内容から、フルコーラスで流れないと作品としての価値がまるで伝わらない作品です。これは通常のヒット曲の原則から全く正反対の常識を覆す1曲ですが、関西最大のラジオ局がこの曲をフルコーラスで流したところ、同局のBBSには大量のコメントが寄せられ、今年最大の泣ける歌として、あっという間に全国に飛び火し、今回のヒットとなりました。
わたしのかけらたち / 植村花菜
1.猪名川
2.忘れないよ
3.わたしはじめ
4.マスカラ
5.サンシャインストーリー
6.トイレの神様

これで植村花菜という名前を初めて知る人も多いかもしれませんが、彼女は通常アルバム3枚、昨年にミニアルバムを1枚出しており、インディーズから含めると既に6年のキャリアがある実力派シンガーソングライターです。今回のトイレの神様でのヒットは喜ばしいですが、彼女のイメージがこういう形で定着してしまうことは少し残念です。

2007年以降、フルアルバムの発表がなくなり、昨年の春にようやくミニアルバムが出るも今回のような話題にはなりませんでした。ここ数年は彼女にとっては不遇な時期だったと思います。オーディション・グランプリ優勝者として、華々しくメジャーデビューし、J-POPSを支える有名なアーティストやクリエイターにもその歌声が絶賛され、1stアルバムの発表時は大型新人登場という感じでした。それだけに、なかなか成功に結びつかなかったこれまでには苦労があったように思います。

せっかく「植村花菜」というアーティストの名前を知ってもらえたわけですから、彼女の飛躍はこれからです。私のブログには、彼女のアルバムは全てレビューがありますので、リンク集にしておきます。この機会にぜひアルバムも聴いて見て欲しいと思います。

※過去記事リンク集(植村花菜)

1st「いつも笑っていられるように」(名盤!)
http://57127.diarynote.jp/?day=20060927
2nd「しあわせの箱を開くカギ」
http://57127.diarynote.jp/?day=20070501
3rd「愛と太陽」
http://57127.diarynote.jp/?day=20080211
4th mini 「春の空」
http://57127.diarynote.jp/?day=20090418

※「トイレの神様」(PVフル)
http://www.youtube.com/watch?v=Z2VoEN1iooE

※植村花菜 公式サイト
http://www.clearsky.co.jp/kana/

お昼は暖かい時もありますね?ちょっと春っぽい陽射しなんかあったりして。もう春の足音は聞こえてきています。てなわけで、今日は洋楽から、とっても爽やかでキャッチーなスウェディッシュ・ポップスを聴かせてくれる、クラウドベリー・ジャムの良盤アルバムをご紹介です。かなりオシャレ度数の高いサウンドでオススメです。 
 
 
right here right now / Cloudberry Jam
01.I take you where you wanna go
02.So happy 08 United
03.I sit a while considering
04.Signs from times of brokenhearts
05.My ever changing moods
06.Beauty of your smile
07.No one else to blame
08.United
09.Mesmerized
10.My tears
11.Coming back
12 At the arena(the end)

今回はかなりキャッチーです。それでいてやっぱり心地よさバツグンのサウンドです。爽やかでオシャレなのはスウェディシュ・ポップの特徴とも言えるでしょうね。(カーディガンズとかもそうでしたね。)実は彼ら一回解散してるんですが、今回ほぼオリジナルメンバーで再結成。特にVo.のジョニー・メディンはソロでやっていただけあって、ブランクなしのボーカルは今回も健在です。音楽的にはクロスオーバーに近いかもしれませんが、他のアーティストに比べるとすごく自由度の高いサウンドを展開しているように思います。

陽気な感じのポップスは、03.I sit a while consideringや、スタイルカウンシルのカバーの05.My ever changing moodsもアレンジで、もうまるで彼らの曲のようです。新鮮なサウンドを展開しているのは、07.No one else to blameですね。これは、イタリアのラウンジ系を彷彿させるような新しい感覚です。途中の男性ボーカルが入る所もすごくクール。この曲が私的には一番のお気に入りです。

でもやはり、ジョニー・メディンのボーカルは一度聴いてみて欲しいほしいですね。こういう歌い方できる人は少ないと思います。スムースなのに軽すぎない絶妙のバランス感覚には脱帽です。MySpaceで他の曲の試聴も含めてどうぞ。

※Cloudberry Jam MySpace
http://www.myspace.com/officialcloudberryjam

※I take you where you wanna go(PV)
http://vids.myspace.com/index.cfm?fuseaction=vids.individual&videoid=5040156

なかなかレビューが出来ないままでした。最近のアクセス数もかなり減少してきて、だいぶ見放されつつある感じですが・・・(苦笑)それでも辞めませんよ。紹介したいCDはたくさんあります。ないのは時間だけ。厳選したCDだけをレビューしますので、これからもどうか見捨てないでください。

今日は、日本のR&Bを影で支えてきた女性シンガーソングライター、為岡そのみの自身初のデビューアルバムで、MOVIN’ONを激押しでピックアップです。彼女は、ソングライターとしてはCHEMISTRY、Soweluなど多くの有名アーティストに楽曲提供する一方で、Jazztronikのゲストボーカルに参加するなど多岐にわたって活躍しています。特に彼女のボーカリストとしての実力はかなり高く、新しいテクノサウンドを展開するJazztronikのサウンドの魅力を最大限に発揮させる洗練された歌声を披露しています。(Jazztronikのアルバム「Grand Blue」のVoyageでのボーカルは圧巻です。)

そんな彼女の自分名義でのフルアルバムがこれ。最高のR&Bを最高のボーカルで綴られた作品です。
MOVIN’ON / 為岡そのみ
01. 虹をみたいの
02. Mermaid
03. movin’ on
04. Crying for you
05. PURPLE
06. I wanna know your feelin’
07. U & Me
08. 今愛する人とここで出逢えた
09. On & On
10. 虹をみたいの REMIX feat.STY

アダルトでアーバンなR&Bサウンドになっています。01. 虹をみたいのは、アーバンビートのリズムが心地よく、洗練された大人のサウンドとボーカルで魅了されます。雨の日さえ楽しくなりそうなオープニングに相応しい1曲。一転してクールなダンスチューンの02. Mermaid。サウンドはブラック色があっても、ボーカルには透明感があるので、上品に仕上がりになっています。こうした作風は06. I wanna know your feelin’でも同じです。

やはり歌のうまさが際立つのはバラード曲です。04. Crying for youはミドルスローのテンポが心地よく、少し切ないメロディーラインが極上です。08. 今愛する人とここで出逢えたは、JーPOPSに近い作風で飾りを押さえたストレートなボーカルが心を打つ美しいバラードソング。こちらも少し切ない系なのは大人だから?

最後に私のベストトラックが、07. U & Meです。ミドルスローのリズムに変則的なメロディーラインを余裕のボーカルで歌う彼女の実力にはもはや絶句するほど。単独で伸びる声、コーラスワークの重ね方、曲も歌もどちらをとっても超一流の楽曲です。

総じて、彼女はベテランというだけでなく、やはり天才だと思います。これからも彼女の歌をアルバムという形で聴きたいと思います。とにかく、この作品は絶対オススメです。上品で心地よいR&Bが好きな方、アダルトでアーバンなサウンドが好きな方はぜひ!(レンタルも可です。)

※試聴はこちらで(為岡そのみ Official Myspace)
http://www.myspace.com/sonomitameoka

※Jazztronik - Voyage feat. Sonomi Tameoka(圧巻の歌唱力!)
http://www.youtube.com/watch?v=mY4pKpipYFY

最近いろいろありますが、どんなにツライ時も悲しい時も「音楽」だけが私を支えてくれます。No Music No Lifeの「Life」という単語はいろんな意味がありますが、ここではやはり「生活」あるいは「人生」程度の意味となるのでしょうが、私の場合は「命」といってもいいのかもしれませんね。そして、個人にどんなことがあっても時間(とき)はいつも淡々と流れていくんですね。冬を終わると、また春が来て、夏になり・・・ そんなことを考えている時にふと聴きたくなったのがこのダリル・ホール&ジョン・オーツの90年発表のアルバム「Change of Season」です。

Change of Season / Hall & Oates
01.So Close
02.Starting All Over Again
03.Sometimes a Mind Changes
04.Change of Season
05.I Ain’t Gonna Take It This Time
06.Everywhere I Look
07.Rip It Up [*]
08.Give It Up (Old Habits)
09.Don’t Hold Back Your Love
10.Halfway There
11.Only Love
12.Heavy Rain
13.So Close [Unplugged][*]

これちゃんと90年に買ってるんですけど、今聴いてもいいですね。80年代を「ブルー・アイド・ソウル」という皮肉を込めたジャンル名の中、アメリカで大成功をした彼らの音楽性はそんなくだらないことを寄せ付けない普遍的な音楽性を証明し、さらに原点回帰と新しい試みで、90年の幕開けをこのアルバムで果たした訳です。

原点回帰としては、02.Starting All Over Again。これは、70年代初期の黒人デュオ「メル&ティム」の大ヒットソングのカバー。本物のソウルを白人の彼らが、忠実に再現して見せたことは、彼らからの一つの答であるようにも思えます。

新しい試みには、同じく80年代をハードロックで大成功を収めたジョン・ボン・ジョヴィをサウンドプロデューサーに迎えての01.So Close。これがアルバムの幕開けだったので、当時は少々面食らったのですが、これがイイ!もっというと最後のアンプラグドヴァージョンの方はちょっと鳥肌ものです。

さて、他に私のお気に入りは、03.Sometimes a Mind Changes10.Halfway Thereのミドルスローナンバー。こういう暖かい気持ちになれるミドルは彼らならではの魅力で、さりげなくお洒落なナンバー。また、05.I Ain’t Gonna Take It This Timeはメロディアスなのにどこか切なくて、でも終盤の転調と突き抜けるボーカルにコ−ラスを合わせるという隠れた名曲と言えるでしょう。

ここからヒットしたのは、ボン・ジョヴィ参加で話題になった01.So Close、とか、当たり障りのない06.Everywhere I Look、それでも09.Don’t Hold Back Your Loveは少しだけ1位になったよーな?ハッキリ言えるのは、80年代ほどのヒット曲はありませんでした。このアルバムは「ヒット曲=いい曲」とは限らないことが良くわかる隠れた名盤と言えるかもしれませんね。

※試聴はこちら
http://www.hmv.co.jp/product/detail/320639

※追記:07.Rip It Up [*]は日本盤のみのボーナストラックで、ジャケ写で使ったUS盤には収録されていませんが、ここでは記載しておきました。
今回の年末年始はこのCDを聴きまくりました。本当に素晴らしいアルバムです。もうここに活字でどんなことを書いても届かないくらい。それでもやはり今年最初のレビューにしたいと思い、感じたことをがんばって文章にしたいと思います。沖縄が生んだ天才女性ソウルシンガー、多和田えみの待望の1stフルアルバムで、SINGSです。タイトルに込められた彼女の「歌」に対する強い想いが詰まった作品になっています。

SINGS / 多和田えみ
01. Overture -theme of SINGS-
02. Baby Come Close To Me
03. Naturally (The Soul Infinity Album Version)
04. MUSING
05. Only Need A Little Light
06. 愛音色
07. eternity
08. 時の空 (Album Version)
09. 月のうた
10. 涙ノ音
11. ネガイノソラ
12. FLOWERS
13. Dance To The Music|Joy To The World
14. INTO YOU (The Soul Infinity Album Version)
15. CAN’T REACH (Album Version)
16. ONE LOVE

2008年にメジャーデビュー。3枚のミニアルバムとシングルを発表するもフルアルバムがなかなか出ないという状況を経て、リリースされた1stアルバムは、彼女のこれまでの軌跡をたどるベスト盤的な内容も含んでいます。

全体的な印象としては、多和田えみのボーカルを前面に押し出しています。必要に応じて生バンド演奏に再アレンジして収録している曲もあるほどです。(DJ KAWASAKIとのコラボ曲だった、14. INTO YOUなど。)こうした工夫は、アルバム全体の雰囲気にまとまりが出来てよかったと思います。

それでは、彼女の代表曲を時系列で書いていきます。デビュー曲の03. Naturallyですが、先にも書いたようにバンド演奏でのリテイクとなっています。好みの問題ですが、シングルverの方が都会的でオシャレ度は高いと思います。続いて、12. FLOWERSは地球規模の「Love&Peace」を高らかに歌った名曲。楽曲はMONDO GROSSOの大沢伸一が提供。コーラスにはmondy満ちるが参加。

当時は大胆な路線変更かと思われた、02. Baby Come Close To Meは、アダルトで甘くメロウなミドルナンバーのR&B。ローズ・ピアノに合わせて歌う彼女のボーカルに別の姿を見たような1曲でした。08. 時の空は、多彩な音楽センスを持つsaigenjiによる曲。良質なJ-POPSという感じでも、空のように広がる音楽はジャンルさえも超えているように思います。

長くなりますが、注目のトラックを数曲取り上げます。私の好みでいうと、05. Only Need A Little Lightは、スィートソウルにほのかにAORの香りがする心地のよいサウンドが絶品です。やさしくて切ないバラードの09. 月のうたも名曲で、ストリングスと彼女の声の相性も良いことがわかります。

最後にやはり、多和田えみのボーカルに尽きます。彼女はソウルディーバと呼ばれますが、ソウルだけでなく、どんなジャンルでも歌いこなす天性のボーカリストだと思います。少しハスキーにかかる声は、ソウルとの相性が抜群だとは思いますが、ジャンルなどを超えた所で歌を歌える人だと思います。今回のアルバムのタイトル「SINGS」は、計らずともそんな意味に思えてなりません。

ぜひ一度、彼女の歌声に触れてみて欲しいと思います。

※多和田えみ MySpace(アルバムの試聴はこちらで)
http://www.myspace.com/emitawata

※多和田えみ Youtubeチャンネル(30秒SPOTでPVが見れます。)
http://www.youtube.com/emitawata

※多和田えみ Official Web Site
http://www.tawataemi.com/

※関連過去記事
http://57127.diarynote.jp/200907291856537721/
デビュー当時から好きだった、UVERworldのベスト盤が出ています。ただ、私はあんまりベスト盤というのがあまり好きじゃないんです。アルバムにしか収録されていない名曲が多いアーティストの場合は特にそうです。今回はどうしても、彼らの2ndアルバム、BUGRIGHTだけはここで紹介したいと思い、取り上げました。なぜなら、これはかなりの傑作で名盤だからです。名曲揃いのベストな内容のアルバムだと思います。

BUGRIGHT / UVERworld
01.ゼロの答
02. SHAMROCK
03. Home 微熱39℃
04. ~流れ・空虚・THIS WORD~
05. Colors of the Heart
06. Live everyday as if it were the last day
07. シャルマンノウラ
08. 一人じゃないから
09. 君の好きなうた
10. 51%
11. LIFEsize
12. EMPTY96
13. DISCORD
14. 君の好きなうた (Acoustic Version)

デビューアルバムが若さを武器にしたスピードとパワーの直線的な作品だったのに対して、このアルバムは、シャープでソリッド、曲線的な楽曲が含まれています。サウンド面でも、ロック以外のジャンルをうまく消化して、彼らにしかできないサウンドに仕上げています。それでは、ベスト盤に収録されていない名曲を取り上げてみたいと思います。

まずはシングル曲なのにベスト盤にもれた、05. Colors of the Heart。某人気アニメの主題歌でしたが、鋭いナイフのようなシャープさと少しダークな雰囲気さえ切り裂くほどのスピード感が魅力です。同じく、エモーショナルなメロディーにスマートなラップを絡めて駆け抜ける、12. EMPTY96は、全く新しい発想のロックサウンドだと思います。

一方で必聴なのが、中盤に収録のミドルテンポな2曲。07. シャルマンノウラは、ファンク風のアレンジで軽快なリズムに乗せるボーカルには、ラップとの境界線を感じません。それでも、なぜか聴くものにフックする見事な名曲です。続く、08. 一人じゃないからも、アレンジの手法は似ていますが、生ピアノのアナログ音とデジタル処理のラップ・コーラス(同一人物による声のコラージュみたいなもの。)の絶妙なハーモニーは必聴です。

書き出すとキリがないですが、キャッチーな10. 51%、当時の初バラードで、ストリングスを用いた14. 君の好きなうた (Acoustic Version)あたりも、このアルバムでないと聴けません。

全体的なテーマとして、「大人になりきれない若者」という感じの歌詞とそうしたイメージの曲が多いように思います。音楽的には名盤だと自信を持って言えますが、共感できる人が多いかどうかは別かも?明るく元気な方がいい人は1stを聴きましょう。

※試聴はこちら
http://morawin.jp/package/80312130/SRCL06464/

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